月: 2013年11月

光を求めて

Nebel im Talスイスでは秋から冬にかけて高所によく霧が出る。最近はこの霧が頻繁に下界を覆っているので(今は雪になったけれど)先週末、標高1200メートル以上で太陽が出るという予報を聞いて、久しぶりに少し遠出をした。

家を出て、平地を走っている間はずーっとどんより。でも、あと少しで太陽の光を浴びられるのさっ。

目的地は時々行くザンクトガレン州の山。一番高いところはちょうど1200メートルくらいのはずだ。麓に着いて、さらに細い山道を車で上る。ここから歩く 人もいるけれど、私たちは上の方のレストランまでいつも車で行く。走るうちに、視界がどんどんぼやけてきた。霧の中に入ったようだ。本当に上は晴れているのかなぁ。

Nebel im Wald周りをよく見ると、地面の辺りがなんだか白い。雪だ。そういえば、この1週間くらい前に標高400メートルくらいまで雪が下りてきていた。ここは軽く 400メートルは超している。むむむ。雪の中を歩くことになろうとは想像もしていなかった。私たちは太陽を求めてうちを出たのだ。むむむ。

レストランのある辺りはもうすっ かり雪景色。太陽もまだ霧の中。でも、少し空が明るい。希望は持てるかな。車を降りて、歩き出す。一番高いところまでは30分くらいだろうか。私たちの前 でもカップルが歩き出した。普段よりは人出は少なそうだ。でも、人の歩いた後がところどころ泥沼化している。そんな場所を避けつつ、太陽を求めて歩く。

Nebel Regelstein車を降りた時点での気温はマイナス0.5度だった。でも、意外と暖かい。風がないからだろう。頂上に近くなると、少し青空が見え始めた。ばんざ~い。

丘を登りつめると、雪野原に人影がポツポツ。座れる場所はほとんどない。夫が上着を脱いで雪の上に置き、しばらく座って陽光を楽しむ。でも、やっぱりお尻が冷たい。10分もいただろうか、下から霧が上がってきたようだ。またどんよりしてきた。人影も減っていく。

私たちもまた来た道を降りた。もうすぐレストランという辺りで、下から来たカップルに声を掛けられた。「上では太陽が出てますか?」みんな、光が恋しいのEin bisschen Sonne だ。「残念ながら、霧が上がってきてしまいました。でも、ひょっとしたらまた晴れるかも。行ってみてください」と交差する。

ほんのわずかの時間だったけれど、少しでも青空を見たことで2人とも満足。下界はやっぱり灰色一色だったのだから。

 

 

もうすぐ一区切り

なんだか忙しいなぁと思っていたら、気がつけばもう11月も半ば。来月になったら、少しゆっくりできるかな。そして、来年からはまた100%フリーに戻って再スタートだ。

この数年間、仕事やら「やるべきこと」やらに追われて好きなことがどんどんなくなっていった。モグリもいなくなってしまって、大笑いすることが少なくなっ た。自分が擦り切れてきたことに気がつき、夫や会社には迷惑をかけるが、これからは自分のやりたいことに専念させてもらうことにした。6年間たくさん悩ん だが、その分たくさん勉強もさせてもらった。

そんなことをいろいろ考えながら、最近ちょっと続いて依頼していただいている仕事を一つひとつこなしているうちに秋が来て、その秋ももうすぐ去ろうとして いるところだ。今年の秋は秋らしかったかな。黄葉もまだまだきれい。牛もまだ放牧されている。去年なんか10月に雪が降っていたものね。

今年は雪はまだないが、それでも世の中はすでにクリスマス商戦に入り込んだ。ん~、またプレゼントに頭を悩ませる時期がやってきたのだ。

チューリヒのカフェ「シュプリュングリ」のショーウィンドー

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