月: 2009年5月

消えた墓石

たしか、先週の木曜日だった。夜遅く仕事から帰る道、いつものようにモグリのお墓に目をやると、ない!モグリのお墓が消えている!まさか…。しばらく周囲 の草むらを目で探したが暗くてわからない。翌日、昼間にもう一度行って見る。やっぱりない。赤いキャンドル入れが草むらの中に横倒しになっていた。

ショックはあまりなかった。いろんな人が通る歩道の脇にお墓を立てたら、ひょっとしてそれを不快に思う人もいるかもしれないとずっと思っていたから。これ まではモグリのことを思ってくれる人の気配ばかりを感じていたけれど、モグリがいなくなって14ヶ月、「もうそろそろ終わりにしたら?」と思う人がいても 不思議ではない。

そう思うと、「そっか。そろそろ次の段階に移る時期なのかな」とあきらめがつく。月命日には家の中でも何かできる。でも、いまでもお墓のあとに残った細長いくぼみに切花を置いていってくれる人がいる。

どこの誰が何のために、あるいはどうして持っていったのか…

どこの誰が何のために、あるいはどうして持っていったのか…