月: 2005年7月

クリエイティブな友人たち

先日、友人からお買い物をした。彼女は長年、焼き物に夢中になっている。ゆでたまごを入れる容器をたくさんつくっているというので、写真を見せてもらい、 気に入った形や色を選んで特別につくってもらった。私が注文した形のほかにもいろんなものをつくってもってきてくれ、選ぶのに一苦労。焼き物なので壊れる こともあると思って、余分に4個購入した。お店で売っているものに比べたら値段は張るけれど、友人の手づくりだと思うと見ているだけでも楽しい気分にな る。これから大事に使わせていただきます。これでやっとまた7分ゆでたまごを朝食のテーブルに載せられる!(8月5日追記:7分だと長すぎて、ほぼ固ゆで になってしまった。次は5分くらいかな。普通は3分だけど、それだと私にはナマナマ過ぎる)

ちょっとずつフォームが違う

ちょっとずつフォームが違う

昨日は、5ヶ月間寄宿舎に寝泊りしながら「農婦学校」で学んでいた友人と久しぶりに面会。卒業記念展示会の案内をもらったので行ってきたのだ。時間割を見 るとかなりシリアス。法律や簿記なんかもちゃんとある。2時半から始まるファッションショーにぎりぎり間に合ったけれど、会場は満杯。それに暑い!昨日は 久しぶりに30度を越す陽気になったのだから。22名の乙女たち(友人は私とほぼ同い年だけど)は縫い物から編み物、木彫り、焼き物、ハーブ栽培など多彩 な領域に渡ってすてきな作品を残している。私の友人も「正しい選択だった」ととても幸せそう。この農婦学校はチューリヒのFahr修道院が運営している。 リマト川のほとりにあって環境も抜群。ファッションショーを終え、ガーデンカフェでの仕事も一段落ついて休憩時間になった彼女からいろんな話を聞いた。私 もやろうとは思わないが、ちょっとだけ違う世界をのぞき見たような、「行ってよかった」と思う帰り道だった(暑かったけど)。

義母宅はいつも楽しい

昨日は義理の母宅で夕食をご馳走になった。彼女はお料理がうまいので、いつも楽しみ。まるでレストランのようにきれいに飾り付けられたミックスサラダや ヴィテロ・トンナートがテーブルに並び、ピリリと辛いガーリックブレッドといっしょに遠慮なくいただく。ワインとデザートは私たちの担当だった。最近のワインはアルコール度がやたらと高いような気がする。以前は12.5パーセントくらいが普通で13パーセントだと少し高めかなあという感じだったのが、最近 では14度もざらにある。強い強い。今回のデザートはイギリスのトライフル。これも夫の大好物である。デザートをいただく頃には義母はもうだいぶんできあ がっていたが、「おいしいおいしい」とトライフルをお替りしてくれた。とってもうれしかった。

彼女は数年前に離婚し、義父はその後すぐに亡くなった。現在、彼女は恋人と一緒に暮らしている。彼はオーストリア出身で、酔うと饒舌になり時々閉口するけれど、昨日はけっこうしっかりしていた。義母はいつの間にかベッドでお休み、3人で12時過ぎまでおしゃべりしていたが、話題が…なんだったっけ、オートバイか何かだったかな…に移ったときに、この彼、「ヤマハ」が言えなくて私を大いに笑わせてくれた。実はこれは夫も言えない。どうしても「ヤハマ」になっ てしまうのである。何度「ヤ・マ・ハ!」と教えても無駄。なぜか、これが言えない。不思議だ……。

本文とは関係ないけど、最近写真がないのでモグリが特別出演

本文とは関係ないけど、最近写真がないのでモグリが特別出演

笑いの輪

土曜日には、ティラミス第一号事件がやっぱりまた掘り返された。きっと、死ぬまで言われるんだろうなあ。

さっき、過去メールを見ていて、不定期に友人・知人に送信しているメルマガ「まぐまぐ」の読者投稿千早版ベストの一つを何の気なしに読み返した。短い文章 でみごとに情景を思い浮かべさせて、思わず笑いを誘うものばかり。そんな文章がいくつも続くと増大効果が出るのか、はたまた私の気分の問題なのか、一度な らず何度も読んでいるものばかりなのに、さっきは涙が出るほど笑ってしまった。日ごろ、誰にでも起こりそうなちょっとおかしい事件。

読んでみたい方は連絡してください。送付リストに加えます。笑いじわなんて怖くない!

私のティラミス

今日は私の美容師さんのバーバラ宅へ夕食に招かれている。10年前までお隣さん同士で、だんなさまのクルトと二人、いつまでも仲良くしてくれている。バー バラは私より10歳近く、クルトは20歳くらい年上である。夫も彼ら二人には何でも話せるし、気のおけない人たちだ。バーバラは甘いものをほとんど食べな いので、ときどき私がデザートをつくってもっていく。今日もティラミスのリクエストがあった。

スイスに来て初めて通ったドイツ語コースにギリシャ人の女性がいて、一度クラスの仲間をホームパーティに招待してくれた。そのときにティラミスがデザート に出た。私にはちょっと甘すぎたのだが、同じクラスにいたもう一人の日本人女性がそのレシピーを聞いていて、私もついでにメモしておいた。

その後少しして、クルトとバーバラ宅(といっても当時はすぐ隣だったのだけれど)へ夕食に招かれ、私がデザートを担当することになった。そこで、あのレシ ピーの登場である。スーパーへ行って必要なものを買い求めた。マスカルポーネなんて、それまで聞いたことも見たこともなかったので、チーズ売り場へ行って 「マスカルポーネを500gください」と注文。「はいはい、マスカルポーネね」と店員さん。

さて、家へ戻って初めてのティラミスづくりに挑戦。レシピーどおりにつくっているのだけれど、なにやらちょっと感じが違う。チーズが変な気がする。でも、ちゃんとマスカルポーネを買ったし…。まあ、いいや。これ、もってかなくっちゃ。

バーバラ&クルト宅でおいしい夕食をご馳走になり、いよいよデザートの時間がやってきた。ティラミスを切り分けて、クルトが味見。「ん~、なんかヘンな味 がするよ、このティラミス…」「え、やっぱり?」「悪いけど、これ食べられないよ」と申し訳なさそうに、でもきっぱりとティラミスはゴミ箱行きになってし まった。「まあ、初めてのことだからね」とご愛嬌。

なにやら納得いかないまま、次にまたティラミスに挑戦する日がやってきた。前と同じように、間違わないようにチーズの売り場へ行って「マスカルポーネくだ さい」と注文。「はいはい」と店員さん。うちへ帰って見ると、前に買ったチーズとおんなじだ。「う~ん、また変な味になりそう」と思いつつも、この「マス カルポーネ」で再度ティラミスづくり。そして一口食べて、やっぱりまたゴミ箱へ。おかしいなあ…

正しい「マスカルポーネ」に気がついたのは3度目のときである。容器に入った「マスカルポーネ」が冷蔵の商品棚にいっぱい並んでいるのを発見!「あ、これ がマスカルポーネだ。じゃあ、あれは…」とチェックすると、私がいままで買っていた「マスカルポーネ」は「ゴルゴンゾーラ・アル・マスカルポーネ」だっ た。チーズ売り場の人も意地が悪い。そんなことは一言も言わずに「マスカルポーネ」を包んでくれていたのだから。ティラミスに青カビ入りのゴルゴンゾーラ なんか使ったらおいしいはずがない。

でもそれ以来、このレシピーはひどく好評で、何かのパーティのときにもっていくと、見知らぬ人がわざわざお礼を言いに来てくれたりする。オリジナルより少し甘さを控え目に、そしてリキュールの量を多めにしているのがミソかも。

この話を思い出したのは、今日、キッチンでティラミスをつくっているときに夫が来て「チーズを入れちゃダメだよ」とぼそっと言ったためである。これは15年経ったいまでも笑いの種になっている。いいのよ、いいのよ、いくらでも笑ってちょうだい。

大勢の人と過ごした1日

昨日は楽しい一日だった。

午前中はドイツ語の先生がチューリヒの歴史案内を計画してくれて、夫も交え、約30人の生徒やその家族・友人とともに旧市街を散策。集合は9時50分に中央駅。この日は、去年おととしと私も参加したろうのお年寄りの休暇旅行が始まる日でもある。この集合場所もいつも中央駅だし、時間もいつもこのくらいだ。 ひょっとしてひょっとしたら…ときょろきょろしていたら、やっぱりいた!3人だけだけど、見つけた。すぐに駆けて行って『ハロー!」と手を振って挨拶。向 こうもびっくりしていたが、とても喜んでくれた。今回参加できないのはやっぱりちょっと残念。でも、参加人数が少なすぎるので随行者の数も減らされ、健聴者であり、介護もほとんどできない私がはずれることになってしまった。しかたがない…。

そのあと、ドイツ語生徒の方はぞろぞろと出発。16年住んでいても、そして夫はれっきとした旧市街育ちでも、初見聞することばかり。ただの警察所だと思っ ていた建物が実はその昔、チューリヒ人専用の孤児院だったり、先日発見されたロシア兵骸骨の存在のいきさつを聞いたり。先生は歴史家だけあってすごい博識 だ。いろんな数字もたくさん頭の中に詰まっている。感動的なくらい。いいなあ。私はもともと物覚えが悪いから、ひじょーにうらやましい。

約30名の中には日本人女性ももうひとりいた。名簿をもらっていたから、行く前からわかったいたのだけれど。彼女もずいぶん前にゲーテのクラインを取って いて、「ここに住む限りは、やっぱりもうちょっとドイツ語ができなくては」とグロースのコースに通い出したのだそうだ。頭のよさそうな、優しそうな女性 だった。ゆっくり話ができなかったのがちょっと残念。

この散策は12時に終わる予定だったのがちょっと延びてしまったため、先生へのお礼のことばも忘れて私たちは車へ急いだ。12時半から別の町で約束があっ た。おもに医療関係のボランティアを行っている日本人グループCTJがこの日バザーを開き、そこで昨年に続いて手話のデモを行うことになっていたのである。日本人でもう一人手話を習っているMさんと二人で、12時半から3時半までの間に二回デモを行う予定だった。

私が会場に着いたのは1時前じゃなかっただろうか。去年より人出が多いかな。活気に満ちている。うろうろしていたら、Mさんがやってきた。お腹がすいてい たので先に腹ごしらえ。そこでおととしのろうのお年寄り休暇のときに一度お会いしていた神父さん(牧師さんかもしれないけど)と再会。CTJの責任者の一 人のお知り合いで、手話のデモをやるから見に来てはとお誘いしたのだそうだ。彼は聴覚障害者にミサを執り行っている人である。彼らとディスカッションして いる間にも時間は刻々と過ぎ、そろそろ始めようかというときにノーベルトがやってきた。彼とドリスも誘ったのだ。彼にも参加してもらうことにして、3人で デモを開始。今年もたくさんの方が参加してくださった。いい加減な打ち合わせしかしていなかったので「ひゃ~、ちょっとまずかったかな」と思ったけれど、 後から聞くとなかなか好評だったようで一安心。実際に手話で会話をしているところを見てもらえたのがよかったらしい。それにノーベルトはなんといっても先 生暦10年のプロ!やっぱりうまい。このデモ中にドリスとご主人のセミもやってきた。デモが終わってからは、またお食事。ノーベルトもどら焼きやら水菓子 やらをおっかなびっくり試している。ドリスとセミも興味しんしん。来てもらってよかった。CTJの方々にはお世話になりました。おいしい日本の食べ物もご ちそうになったし。2回目はもう時間が足りなくて中止。なんだか食べに行ったみたい。

この日はほかにも久しぶりに会う人がたくさんいて、ゆっくり話はできなかったけどとても楽しかった。今度は時間を取ってゆっくり会いたいな、とそのときは思うのだけれど、そのうちだんだん日々の生活に追い立てられて忘れてしまうのよね。いけない、いけない。