美しい足をつくる

日本の読者へ

私は日本が大好きです。そして、「足」も大好きです。

以前、日本で1年暮らしたことがあります。そのとき、この国とこの国に住む人々が大好きになりました。足が大好きなのは、この器官が運動したり身体を移動させたりすることの基盤だからです。

gut_zu_Fuss成人の3分の1は足に問題があるか、あるいは足自体が問題となってしまった状態です。絶対に何かがおかしいに違いありません。実は、おかしいのは「何か」ではなく、「足の運び方」すなわち「歩き方」なのです。
靴の中に押し込まれた足が歩くのはあくまで平坦な地面や床。そんな頭でっかちな日常生活の中で、足は文字通り踏みにじられています。その結果、痛みを伴う弊害が現れますが、そのほとんどは本来生じないはずのものです。

本書を読んで、生まれつき備わっている足の知性を、つま先に至るまで取り戻してください。自己診断に役立つ数多くの秘訣や自助努力で治すのに最適なシュピラルデュナミック式の足のトレーニング、医師に診せる前の事前の準備などが、安心感や専門的な知識をもたらしてくれるはずです。

自分の足の運命は自分で担いましょう。あなたという個性を運んでくれている足を尊敬し、その足に愛情を注ぐことを学んでみてください。 

2006年10月、チューリヒにて

医学博士クリスチャン・ラルセン

『美しい足をつくる』より

原書:Gut zu Fuß ein Leben lang, 2004, TRIAS, ISBN 3-8304-3301-8

著者:クリスチャン・ラルセン

放浪するアリ         ― 生物学的侵入をとく ―

Ameise_als_Tramp_small 人類という生き物は、古来旅を好み、居を移し続けてきた。今ではどの大陸も人種のるつぼとなり、そこでさまざまな血が交じり合っている。だが、動いてきたのは人間だけではない。彼らに連れられて、あるいは彼らの意図せぬまま彼らと共に、種々の植物や動物が地域間を、そしてまた大陸間を移動してきた。あっけなく滅びた生物もいれば、ゆっくりと時間をかけて定着した……

武器を持たない戦士たち  ― 国際赤十字 ―

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スイスの使用説明書

Gebrauchsanweisung スイスは、日本でも人気の高い国の一つではないだろうか。 グアムや東南アジアのように気軽に行ける場所ではないが、訳者が日本に帰ってはじめて会った人にスイスに住んでいることを話すと、「いいわねえ、スイスは憧れの国なのよ」などと言われることが少なくない。また、永世中立国であることや美しいアルプスの国であることもよく知られているようであり、スイスは日本にとって比較的身近な国といえるようだ…...

お金と幸福のおかしな関係

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幸福は古今東西、 永遠のテーマである。そして、「お金で人は幸せになれるか」という問いもよく耳にする。それに対してよく聞く答えは「幸せにはなれないかもしれないが、安 心は得られる」というものだ。確かにお金はあったに越したことはない。だが、経済学者である本書の著者によると、問題はその使い方なのだ。私たちは幸せになるために一生懸命働いてお金を得る…...

大事なことがはっきりするささやかな瞬間

私がスイスに移り住んだのは30年前、その当時からヨーロッパでは結婚年齢が上昇傾向にあった。当時の日本では、25歳を過ぎた未婚女性は「26日のクリスマスケーキ」など言われ、少々肩身の狭い思いをしたものだ。だが、今や日本も男女ともに結婚年齢は上がる一方だし、すでに30年前のスイスではごく普通のこととなっていた事実婚や、生涯結婚しない人の数も増えていると聞く。つまり、日本のライフスタイルが……

あなたもインフルエンサー?それでは稼げないよ

本書の正編『大事なことがはっきりするささやかな瞬間―関係づくりが苦手な世代』が出版されたのは、ほぼ一年前の2019年春だった。原書は、ドイツ人著者ミハエル・ナストがブログ形式で発表したコラムを一冊の本にまとめたものである。サーバーがパンクするほどの閲覧数を記録した文章は四つの章に分けられており、正編にはその中から二章を収めた。そして、その続編となる本書『あなたもインフルエンサー』には残りの……

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