終わらぬ夏のひと月は…

初春に忙しく仕事をしてからというもの、8月が終わりそうになるまで、ずっと閑古鳥が鳴いていた。とはいえ、長年なかなか終わらない自身のプロジェクトがあるので、閑古鳥の鳴き声は私の耳には届かず、報酬なき活動を続けている間に、史上最高・最長の酷暑と乾燥の中、暦上の夏が終わりつつあった。

そして暦上の秋が訪れるとともに、日本からのいろいろな業界のいろいろな視察団、そしてスイスに住む個人のいろいろな出来事のお手伝いをするという、私史上最高の忙しさの中、9月があっという間に過ぎ去った。スイスの物価はもともと高いうえに、今の円安とあって、日本からの訪問はもうあまりないのかと思いきや、秋はまだまだ視察のハイシーズンだった。

今年は初めて政治分野のお仕事もさせていただき、日ごろニュースでよく見るスイスの政治家とお会いすることに。驚いたのは、日本ファンや日本通の多さ(というほどの人数にはお会いしていないけれど…)。そのせいか、どの場も和やかで、みなさんとても親切だった。日本の政治にはとんと疎くなってしまった上に、小さい頃から植えつけられている「お上」のイメージが消えず、仕事に行く前はいつも以上に緊張していたけれど、こちらもみなさん、笑い声もたくさんあり、いろいろと気遣って下さったこともあって、不必要な緊張感はいつしか消えていった。

8月末でもう枯れ葉だらけ。河川の水量も心もとない

印象的なのは、政治家のみならず、同伴させていただく方々はいずれも、質問をするときの顔つきがぐっと変わることだ。

こうして過ぎていった9月もおそらく史上最高の暑さで、雨もほとんど降らなかったため、チューリヒ湖などは水位が1メートル近く下がっている。一時期は草が枯れ果て、牧草地はまっ茶色だった。少し雨が降った後、緑がよみがえったのを見て、自然の逞しさを感じた。

ここ数年、春が来るととてもうれしく、夏の終わりを感じ取るとメランコリックになる。でも今年はまだ夏の終わりを感じない。お昼にざるそばや素麺ではなくスープを作るようにはなったものの、夕食はまだサラダ類でも平気だし、毎日少しは汗をかく。朝晩は10度前後まで気温が下がるけれど、昼間はTシャツ1枚でOK。9月末でこんな陽気が毎日続くなんて、前代未聞だ。スイスの氷河が20年後には全滅するという学者もいるけれど、あながち間違いではなさそうだ。

春からずっと気温が高かったせいか、今年は朝顔が大量に花を咲かせてくれた

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