春 ― 複雑な季節

数年前から、春が一番好きになった。これまではどの季節も、それぞれの楽しさ、美しさがあって同じように好きだった。最近は夏の終わりや秋には、生命の終わりを感じてひどく寂しい気持ちになる。そして暗く寒い冬の厳しさが緩み、小さな芽が細い枝から吹き出しているのを見たり、可愛らしい野の花が咲き出したりするのを見ると、とても嬉しくなる。命がこれから開いていくのを感じる。これは、私が歳を取ったからだろうか。

今は桜やタンポポも終わり、菜の花やリンゴの花が美しい。麦の葉もだいぶん育ってきた。もう夏の気配も感じるほどだ。そうなると、もうすでに何だか寂しくなる。このあと、庭ではいろんな花が咲き始めるのに、何だかもう後は上り詰めて下っていくだけなんだと思ってしまう。

 

この農村に引っ越してきて、自然と寄り添いながら暮らすようになったからかな。毎日、トンビやコウノトリやツバメが舞う広い空を眺め、牛や馬や羊やアルパカに挨拶しながら畑道や森の中を歩くようになったから?あ、それともホルモンの変化かも?

 

何にせよ、こんな風にのんびりと暮らせるのは、今の時代ありがたいことだろう。

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