現代技術の恩恵いろいろ

最近、日本の製造元から直接製品を送ってもらうことが増えてきた。これまで日本の実家に送ってもらい、実家からまとめてスイスへ小包を送ってもらっていたのだけれど、いろいろと送ってもらうものが増えてきて、何度も手を煩わせるのが申し訳なくなってきた。今はウェブサイトを設けている業者が多いし、日本国内への郵送の説明しかなくても、直接問い合わせると、みなさん本当に丁寧に対応してくださる。外国の個人向けに製品を送るのは初めて、という会社がほとんどだが、いろいろと調べてくださり、しっかりとスイスまで送ってくれるのだ。これっぽちしか頼んでないのにすみません…という心境で、ありがたくお世話になる。

その製品は食品、キッチン用品、寝具、とさまざまなのだけれど、メールでのやり取りを思い出し、親切な対応を思い出しながら、工場で大量生産された品ではない、みなさんの心が伝わってくる製品をほっこりした気持ちで使っている。これは私にとって現代技術の大きなメリットだ。

一つ気になるのは、宅配の小包を増やしてしまうこと。このコロナ渦でネットショッピングを利用する人がまた増えた。うちのアパートの郵便受けの前や上にも、ときには10個近い段ボール箱が積み上げられる。若い世代はネットで服や靴をいっぺんにいくつも注文し、要らないものを送り返すという買い物の仕方をしている。ただでさえ酷使されている宅配業者のドライバーや郵便局の配達員はそんなカルチャーに取り巻かれて悲鳴を上げているようだ。統計によると、今年は実際に配達車の量が増えている。これからクリスマスシーズンに入り、またさらに小包の量が増えることだろう。

環境破壊のストップを訴えて多くの若者がデモに参加しているけれど、ときどきふと、彼らはどんな買い物の仕方をしているのか、と思う。配達車が増えれば当然ガソリンもその分余計に必要になり、排気ガスが増え、道路は混雑し、配達員にかかる負担が増す。これも未来の天秤の均衡を崩す一要因ではないのか。安価な洋服や靴を毎年買い捨てていていいのか。どうしてそんなに安価なのか考え、それでも良心の呵責を感じることなく買っているのだろうか。このトレンドは若者だけが作り上げたものではないから、彼らだけを責めるわけにはいかない。マネー第一主義のなせるわざだ。スイスのきれいに舗装された道路を「闊走」している無駄に大きいSUVも早く小型化されて欲しい。

まだ美しい緑の芝生の上に落ち葉が絨毯のように重なり落ちる

葉っぱが落ちた小枝はまるで線香花火のよう

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