「これが最後の夏日だよね」。何度、そう夫と言い合ったことか。でも、先週末はもう本当に最後の夏日、とまではいかなくとも、晩夏日だった。今年は、春も夏も秋も、とてもよかった。適度に雨も降り、庭は花であふれた。レモンとオリーブの木にはたくさん実もなった。スイスでレモンやオリーブがなるなんて思いもしなかったけれど、これも温暖化のなせる業なのか。
レモンは枝についたまま黄色くなり(これまでは秋が来ても緑のままだった)、オリーブも「もう少し置いておこう」と思っているうちに熟して黒っぽくなってきた。もうそろそろこの2本の木を越冬させてくれる業者がお迎えに来そうだったので、1週間くらい前に収穫してみたら、まずまずの量。今は、これを食べられるように処理しているところだ。まず1カ月間水に漬けて、その後塩水に漬け、それからマリネにする。食べられるのは来年かな。どんな味がするだろう。今から楽しみだ。
オリーブとレモンが週末に引き取られて行き、夏の間外に出していたベンジャミンの木もリビングに戻し、ガーデンテーブルと椅子も地下室に片付けて、テラスはがらんとなったけれど、鉢植えの花々はまだまだ元気に咲いている。夏の間、なかなか花がつかず、今になっていくつもできたつぼみを次々に開かせている朝顔、いつまで咲いてくれるだろうか。
東京で独り暮らしをしていたときは、緑とは縁がなく、遊びに来た母が「緑が何もないねぇ」と買ってくれた鉢植えもすぐに枯らしてしまうような生活だった。スイスに来て、決して毎日のんびりしているわけではないけれど、草花や動物がすぐそこにいる、自然が近い生活を知った。今も、トンビが窓の外、目の前で灰色の空を低く旋回している。あ、ネズミか何かを捕まえたよう。田舎暮らしもなかなかエキサイティングなのだ。
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