月: 2017年1月

これぞスイス

お昼前から吹雪の様相だった。

北風が寒そう~。今日は明日の分も、そして土曜日の朝食の分も買い物に行きたいのになぁ……などと思いながら、お昼の支度に取り掛かり、食べ終わって洗い物をしようとキッチンに立ったら、西の空が明るくなっている。しばらくしたら、青空が見え出した。

おっ、これは買い物のチャンスだ!急いで支度をして、暖かい格好で外に出た。雪が15センチくらい積もっている。まだ誰も歩いていない新雪の上をさくっさくっ。というか、ズボッズボッだったかもしれない。

最寄りのスーパーまでは徒歩10分くらい。ちょうどいい距離感だ。路地を歩いていくと、あちこちからザザッ、ガリガリという音が聞こえてくる。みなさん、雪かきに出てきたのだ。雪が止んで30分もしないうちに、除雪車も出動し、家の玄関先や歩道の雪を掻いてゆく。さすがスイス!几帳面というか、きちんとしているというか……。

10分くらいで買い物を済ませて、帰途についた。暖かい陽射し。太陽が眩しい。雪かきをしていた人々の姿はもうなく、歩道は真ん中だけ雪がどけられているところもあれば、まだ積もっているところもあり。ハーフブーツを雪まみれにしながら歩いていると、まるで映画のワンシーンのように、今度はあちこちの角から子どもたちがソリを引っ張りながら現れた。色とりどりのスキーウェアを着込んで、色とりどりのプラスチックのソリを引っ張っていく。まだ冬休みなのだろう。先日は、少し雪が降ったと思ったら、わ~っと転がり出て雪遊びをしていた。

家のすぐそばでソリ遊びができる場所は、きっとスイスには少なくないだろう。小学校の校庭では、子どもたちは雨の日も走り回っている。そんな自由な姿を見るたびに、私は福島の子どもたちのことを思ってしまう。放射能のことが心配でも、口に出せずにいるお母さんたちのことを思ってしまう。

体験したばかりのスイスっぽさを書き残しているうちに、空はまた曇り出し、雪を舞い散らし、そして今また薄い青が雲の合間に見え隠れしている。この天気、なんてスイスらしいんだろう。あ、また雪が舞い出した。

籠り正月

元旦は霧が晴れて青空も見えた。でも、外は寒かった。

12月半ばに肺炎にかかった夫はまだ咳込んでいたし、すぐに疲れるようだったので、大晦日の夜も元旦も2日も、家から一歩も出ずじまい。私もついに風邪を引き、今は二人で咳の二重唱をしている。

寒い日は多いけれど、今シーズンは異常な雪不足で、先日ベルナーアルプスへ行った人が「枯れ草のユングフラウ」にショックを受けていた。スキー場もさぞかし大変かと思いきや、客足はそれほど鈍くないそうだ。気温が低くても天気がいいので、みんな太陽を目指して山に登るのだろう。大変なのは、空気の乾燥の方。毎年この時期には、乾燥しきったクリスマスツリーにろうそくの火が引火して家まで焼けてしまうというニュースが流れるけれど、今年は人気観光地のアローザでホテルが全焼してしまった。森林火災もすでに発生している。大晦日には花火を上げる人が多いが、規制も厳しかったようだ。

正月休みの2日が過ぎ、3日から夫は出社。その日の夕方、ちょうど会社を出る時間に雪が降り出した。やっと!今も降ったり止んだりしている。気温もさらに下がった。週末はもっと下がるらしい。それを聞いたとたん、二人で「チーズフォンデュにしようか!」

出だしの良いスタートとは言えないけれど、今年もまあ、和やかなに始まったといっていいかな。