今の最優先事項、庭のクローバー取りもそろそろ終わる。西洋人はしゃがむということができないので、私のようにひざを折り曲げて1時間も草取りをしているなんて人は見たことがない。去年はよく「精が出るわねぇ」「よくやるねぇ」と声をかけられたけれど、今年は隣のおばちゃんが「また やってるのぉ」と近寄ってくるくらい。やってもやってもまた生えてくる雑草を取るのはシシフォス仕事だ。でも、暖かい（少し前までは暑かった）日差しの中で、にょろにょろと出てくる大小のミミズを避け、いい土を作ってねとテレパシーを送りながら、クローバーのなが～い根を引き抜き当てたときの気分は何とも言えない。ちょっとした楽しみにもなってきた。あと少しで終わってしまうのが残念……とは思わないけれど。手首も足腰も痛くなるので……。

タオルミナの古代劇場。ちょうど夜にコンサートが開かれている時期だった

9月初めのシチリア休暇まで結構忙しく過ごしてきた。会社を辞めたら1カ月くらいはゆっくりしようと思っていたのだけど。でも、また100％フリーに戻った瞬間、これだけのお仕事をさせていただいて、とてもありがたいと思う。来年はどうなるかわからないけれど、またそろそろ出版翻訳にとりかかりたいという意欲もわいてきた。いい本を探さなくちゃ。

タオルミナの旧市街。古い街はどこもこんな感じ。階段にテーブルを出しているレストランも多い

チェファルの旧市街の前にはビーチが広がる。日中はまだ30度を超える日が続き、ハイシーズンを過ぎて人出は減っていたが、海はまだまだ温かい

ギリシャ遺跡の町アグリジェントで入ったレストランの事務机。イタリア語しか通じないけれど、老婦人の温かいおもてなしとスイスでは食べることのできないお料理がとてもおいしかった

レストランがある広場では、週末にダンスパーティが催されていた。老いも若きも楽しそうに踊る。青年たちは今風の踊りを披露。見物人もたくさん！

遠く、山間に見える橋。シチリアにはこんな高い橋やトンネルが無数にある。道路の建設はさぞかしたいへんだっただろう

右端の町はアグリジェント。海を見渡せる丘に、ギリシャがシチリアに拠点をおいていた時代の遺跡が並ぶ。このコンコルディア神殿はもっともよく保存されているもの

雪よりも白い石灰石の崖。ここに腰を下ろすと、たぶんお尻に着いた石灰を落とすのが一苦労