月: 2014年8月

フランス語圏の休日

今年はなんという夏だったのか(すでに過去形)。こんなに雨の多い、寒い夏はひょっとしたら経験したことがないかもしれない。雨は嫌いではないけれど、暗い日が続くと心もやっぱりなんとなく暗くなる。

昨日も朝からどんより。夫が7年ぶり2回目のアメリカ出張で1週間近く留守にしているので、こちらもフランス語圏の知人たちに会いに、1泊でレマン湖の方へ出かけることにしていた。仕事関係の知人に集まってもらってわいわいやりたいと思っていたのだけれど、夏休みから帰ったばかりで忙しい人やこれから休暇に出るという人、友人が遊びに来ているという人などばかりで、結局会うことができたのは泊まらせてもらった知人1人。でも、彼女もずっと翻訳・通訳をやっているので、興味深い話をたくさん聞かせてもらった。雨のレマン湖畔のレストランでおしゃれなランチを取り、傘を差しながら旧市街や湖畔を散歩し、彼女の自宅で日本語を流暢に話すご主人を交えて手作りの夕食をご馳走になった。気がついたらほぼ12時間しゃべり通し・・・。記録だ、きっと。

Genfersee今日は朝早く仕事に出かけていったご主人に挨拶もせずゆっくりと寝てしまい、窓の明るさに期待感を抱きつつ起床。お昼には別の町で元上司と久しぶりに会う予定だった。その約束の町に向かって走る電車の窓からは、昨日とは「別人」のようなレマン湖が、背後の山を青色に染めながら静かに輝いていた。

世界遺産に指定されている美しいブドウ畑も今日は青々と広がっている。

Lavaux元上司は1年半前に定年退職した。私が会社を辞めたときに会いに来てくれて以来2回目の再会だ。人の顔というものはその時々の精神状態で本当に変わるものだが、彼も仕事のストレスがなくなった生活を心から楽しんでいるようで、目の辺りがとてもゆったりとやさしくなっていた。

彼の友人がやっているという旧市街にあるレストランでランチ。ここも、豪華ではないけれどセンスのいい内装で、腕の確かな、それでいて比較的安価なお料理を出す良心的なレストラン。さすが、彼の友人だ。

2時間ほどかけてゆっくり食事を楽しみ、たくさん笑った後は、また別の町にある美術館に寄って帰ろうと思っていたけれど、ゆっくり鑑賞する時間がなくなってしまったので、そのまままっすぐ帰宅。1泊2日の「会う旅」。人と話すのってやっぱりいい。

恨めしや、賞味期限

日本から帰った後は、普段手に入らない食材が手元にある。ちびちびと使いたいところだけれど、あいにくと賞味期限というものがあって、せっせと食べなくてはならない。午後、小腹が空く。ごそごそと戸棚をまさぐる。あれ?ちょっと前まではドアが閉まらないほどいろいろ入っていたのに、もうおせんべいとあられが一袋ずつあるくらい。草加せんは母が買っておいてくれたもの。辛いあられは伊勢のおかげ横丁で自分で買ったもの。母が買っておいてくれたおせんべいを見たら、何となく心が温かくなった。私が好きそうなものを、私が帰る前から買っておいてくれた。めったに「帰ってこい」と言わない母。でも、おせんべいが母の気持ちを代弁してくれている。こちらは最後まで取っておきたいところだけど、あいにくと賞味期限が先に切れる。

我が家の庭先でも結構大きな花火が上げられた

我が家の庭先でも結構大きな花火が上げられた

こんな気持ちを書き留めたのももう数週間前になるのだろうか。今年の寒い夏ももうおそらく半分過ぎてしまったようだ。7月末日までの仕事を31日の午後に提出し、一息つく間もなく8月1日の建国記念日がやってきた。今年は初めて義妹と二人の子どもが泊りがけで遊びに来てくれた。たった1泊なのに大荷物。サッカーボールから水着、キックスケーターにヘルメット、靴も何足もある。あやや…。ご近所さんも何軒か集まってBBQなどしていたので、子どもたちもいっぱい。みんなでサッカーやトランポリン、水遊びをしてはしゃぎ、最後の締めは建国記念日に欠かせない花火。泣いて笑って大忙しの子どもたち。大人は…それに振り回されて疲れ顔。まあ、無事に帰っていって一安心だ。