光を求めて

Nebel im Talスイスでは秋から冬にかけて高所によく霧が出る。最近はこの霧が頻繁に下界を覆っているので(今は雪になったけれど)先週末、標高1200メートル以上で太陽が出るという予報を聞いて、久しぶりに少し遠出をした。

家を出て、平地を走っている間はずーっとどんより。でも、あと少しで太陽の光を浴びられるのさっ。

目的地は時々行くザンクトガレン州の山。一番高いところはちょうど1200メートルくらいのはずだ。麓に着いて、さらに細い山道を車で上る。ここから歩く 人もいるけれど、私たちは上の方のレストランまでいつも車で行く。走るうちに、視界がどんどんぼやけてきた。霧の中に入ったようだ。本当に上は晴れているのかなぁ。

Nebel im Wald周りをよく見ると、地面の辺りがなんだか白い。雪だ。そういえば、この1週間くらい前に標高400メートルくらいまで雪が下りてきていた。ここは軽く 400メートルは超している。むむむ。雪の中を歩くことになろうとは想像もしていなかった。私たちは太陽を求めてうちを出たのだ。むむむ。

レストランのある辺りはもうすっ かり雪景色。太陽もまだ霧の中。でも、少し空が明るい。希望は持てるかな。車を降りて、歩き出す。一番高いところまでは30分くらいだろうか。私たちの前 でもカップルが歩き出した。普段よりは人出は少なそうだ。でも、人の歩いた後がところどころ泥沼化している。そんな場所を避けつつ、太陽を求めて歩く。

Nebel Regelstein車を降りた時点での気温はマイナス0.5度だった。でも、意外と暖かい。風がないからだろう。頂上に近くなると、少し青空が見え始めた。ばんざ~い。

丘を登りつめると、雪野原に人影がポツポツ。座れる場所はほとんどない。夫が上着を脱いで雪の上に置き、しばらく座って陽光を楽しむ。でも、やっぱりお尻が冷たい。10分もいただろうか、下から霧が上がってきたようだ。またどんよりしてきた。人影も減っていく。

私たちもまた来た道を降りた。もうすぐレストランという辺りで、下から来たカップルに声を掛けられた。「上では太陽が出てますか?」みんな、光が恋しいのEin bisschen Sonne だ。「残念ながら、霧が上がってきてしまいました。でも、ひょっとしたらまた晴れるかも。行ってみてください」と交差する。

ほんのわずかの時間だったけれど、少しでも青空を見たことで2人とも満足。下界はやっぱり灰色一色だったのだから。

 

 

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