感嘆の秋

KouyouI今年の秋は本当に美しい。何度言っても言い足りないくらい。高さ1000メートルくらいに広がる霧も昼間に晴れることが多く、澄み渡った青空がどこまでも高く続 く。暖かい気候が続き、雨や風が少ないせいか、木々の黄葉・紅葉が例年になく美しい。もう日本の紅葉を長年見ていないせいもあるのかもしれないけれど、ど こを歩いても木々の彩りが目を、心を楽しませてくれる。

少し前、日本の新聞で種無しフルーツが今、日本で人気だと読んだ。単に食べやすいからだ。確かに種があると芯を取ったり、種だけ吐き出したりしなくちゃいけないから面倒だ。ぶどうなんかは特に。こちらの人はバリバリ種も一緒に食べてしまうけれど。

KouyouIIでも思った。最近の子どもが切り身の魚しか知らないように、種無しフルーツが出回りすぎたら、それぞれの果実がどんな形の種から生るのか知らなくなる人間 が増えるだろう。それってやっぱり寂しいことじゃない?林檎だって柿だって、種を植えれば芽が出る。そういう当たり前のことが姿を消していくのだ。

こちらではサクランボの種をどれだけ遠くまで飛ばせるかという、サクランボの種飛ばし大会が毎年開かれている。どの州だったかなぁ。私は幼い頃、真珠養殖工場の庭にあったちょっと酸っぱいユスラウメ(と私たちは呼んでいた)を姉と一緒にたくさんほおばり、その種を海に向かってぷぷぷぷっと飛ばしたりした。たわいもないことだけれど、今でも覚えている。こういうのって、子どもには楽しいことだと思うんだけど。サクランボの種飛ばし大会ではいい大人だって一生懸命種を飛ばしている。

種無しフルーツをお行儀よくいただくのもいいけれど、もっとワイルドに食べてもいいんじゃないのかなあ。

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