モグリのお墓参り

モグリの一周忌は日本にいた。夫が日本に発つ日だったので「前日でもいいから、絶対にお墓参りに行ってキャンドルに火を灯してきてね!」と何度も頼んでおいた。夫はきちんとその約束を果たし、モグリのお墓参りに行ってくれた。

半年くらい前から、彼はもう私と一緒にお墓参りに行きたがらなくなっていたのだけれど、日本から帰って来ると「早くモグリのお墓参りしなくちゃね」と言う。ほっほぉ~。変わったもんだ。

と言いつつ、結局、そのとき着ていた部屋着のまま外に出るのはイヤで、だからといって着替えるのも面倒くさい。ということで、やっぱり私一人で帰国のお知 らせに行くことになった。外が暗くなったあと、仕事部屋の窓から赤い小さな光がチラチラしているのを見ると、何となくホッとする。ヨーロッパの猫は異様に 体が大きいので、「あんまり大きくならないでね」と言った私のお願いに応えてくれ、モグリはほかの猫と比べるとずいぶん小柄だった。その小さなモグリがそ こにいるような気がする。赤い色に心が温かくなる。

3月最後の日、仕事から帰って来ると、モグリのお墓の前に新しい春の花の鉢植えが供えられていた。一年経ってもまだモグリのことを思ってくれている人がい る。そう思うと、他人事(猫事)ながらとてもうれしい。たぶん、モグリをとてもかわいがってくれていた近所の青年だと思うのだけれど。今日は冬中モグリの お墓を見守ってくれていた鉢植えを家に持ち帰り、もう1つ新しい春の花を添えた。

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