初めての、貴重な体験

とても貴重な経験をした。

鈴木ひとみさんという方をご存知だろうか。元ミス・インターナショナル準日本代表に選ばれ、その後ファッションモデルやCMなどで活躍していてこれからと いうときに交通事故に遭い、頚椎を骨折して下半身麻痺になってしまった人だ。彼女の運命は、ずっと前に「車椅子の花嫁」というテレビドラマにもなっている (ひとみさんのHP: http://www.h2.dion.ne.jp/~hitomi-s/)。

実を言うと、私は彼女のことをまったくと言っていいほど知らなかったのだけれど、友人から彼女のアシストをやってみないかと声をかけてもらって即答し、今 回1週間ほど彼女と一緒に過ごしたのだ。スイスの田舎町で障害者の射撃世界大会が開催され(今日が閉会式だったはず)、ひとみさんもそのメンバーに選ばれ たための来瑞だった。

日本の代表チームは監督やアシストも含めておよそ15人。みんな手か足に障害がある。私はこれまでそういう身障者とほとんど縁がなかったので、車椅子の押 し方から習うといった有様。ましてや、射撃のことなんかこれっぽちも知らないのだけれど、ひとみさんは根気よくていねいに一つひとつ教えてくれた。ほかの アシストの人も快く手を貸してくれたし、選手の皆さんもみんな優しい人ばかり。どちらに障害があるのかわからないといった感じだ。

頚椎を骨折した人はほかにも何人かいたのだけれど、みんな汗をかくことができないので体温調節ができないという。放っておけば、体温がどんどん上がって熱 中症のようになってしまう。それだけではなく、体の一部が麻痺しているために気をつけなければならないことはほかにもいろいろある。私は、車椅子の人は足 が動かないだけだと思っていたのだけど、なんて大間違い!

大会中、スイスは異常なほどの好天、つまり猛暑に見舞われ、選手ばかりか私も暑さに疲れ果てるような状態。それでも、みんないろんな工夫を凝らしてコンディションをベストにもっていこうと努力している。そして、笑い声が絶えない。たまたま近畿以西の人間が揃っていて、関西弁が飛び交っていたところも楽し かった。冗談がもっとおかしく聞こえる。それにしても、みんな苦しい時期を乗り越えてきた人たちだ。強くて優しい。みんなの笑顔を思い浮かべると、なぜか 目頭が熱くなる。

開会式はあいにくの「時々雨」。手前の2テーブルが日本チーム

開会式はあいにくの「時々雨」。手前の2テーブルが日本チーム

私のほかに、もう一人アシストの人がいた。彼はお姉さんに付き添っていたのだけれど、このカップル(?)もまた面白い。お姉さんは以前、女優さんだったそうな。大きな目をいつもくるくるさ せて、楽しいおしゃべりをする人だ。そして、弟さんの方は神戸で大人気の占い師。私も少し占ってくれた。ものすごく真剣に。そして、私は彼のひと言ひと言 に頷かずにはいられなかった。自分が思っていることに対して「大丈夫だから、それで」と一歩前に踏み出させてくれるような感じ。幼い頃から占いばかりして いたという彼は、まさに占うために生まれてきたのかもしれない。木下博嗣(ひろし)くんは信頼できる占い師ですよ(太鼓判!)。

帰ってきたら、さすがに少し疲れが出たけれど、ひとみさんを紹介してくれた友人に即電話。射撃の世界大会も、ひとみさんの付き添いも、全部「楽しかったよ~」と言わずにはいられなかったのだ。そして、ひとみさんとの出会い。本当に感謝しています。    

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