世の中は世知辛くなるばかり

世知辛いというか、モノを売るという行動、モノを売らなきゃという欲求がものすごく目に見えるようになってきた。スイス最大の都市チューリヒは日本の地方都市より小さい。変化に乏しい国だと思っていたけれど、ここ数年の変貌には少々驚いている。

古い街並みがどんどん消えて、どこにでもあるような大きなビルがぽこんぽこんと建ち出した。素朴な飲食店はしゃれたレストランやバーになり、チューリヒ一の高級通りに並ぶのは、これまたどの国にもある低価格ショップや高級ブランドのお店ばかり。スイスの個人経営店にはもう家賃が払えなくなり、みんな撤退してしまったのだ。

デパートへ行けば、年中、何かしら特別なテーマ商品が並んでいる。お正月は特に祝うことはないけれど、2月3月は謝肉祭のお菓子、その後はイースターのウサギチョコやゆで卵、8月1日の建国記念日はBBQ用の肉・ソーセージに花火、数年前からハロウィンの子ども用コスチュームも登場、そしていよいよクライマックスのクリスマス。ここ数年、クリスマス商戦が早くなっていると感じていたけれど、今年はもうハロウィン前からクリスマスツリーが飾られていて、興ざめだ。

これで終わりかと思いきや、今年は新たにアメリカの大セール「ブラックフライデー」が登場。今週やたらと目についた広告だ。セールをすれば飛びつく人やありがたく思う人は多いだろう。でも、なんだか踊らされている感じがするのは、私だけだろうか。

今の世の中は、何かしらモノを売らなければ生きていけない。それは重々承知だけれど、これだけ「商戦」が年中続くと、やっぱり何か物哀しい。

まだ子猫とはいえ、どんどん、どんどん大きくなっている二匹。食欲もすごい。もうそろそろ落ち着いてくれてもいいんだけどねぇ

冬近し

9月は確か寒い雨の日が多かった。10月は「金の秋」だ。澄み渡る青空が広がり、気温も20度前後まで上がる日が続いて、森や林はどこも黄葉が金色に輝いた。今は少し気温が下がり、雲も多いが、ちょうど休暇を取って家の大掃除をしたりハイキングに出かけたりしていたころは、半袖でも十分なくらいの汗ばむ陽気だったので、個人的には大満足。雨も少しは降らないとね。

忙しい日々は先週で一段落ついたようで、今週は少しゆっくりできそうだ。とはいえ、この商売、いつ何時どんな仕事をいただくかわからないから、油断大敵。それに、進んでいない出版翻訳の方も気になる。こういう時に集中して進めておかないと……。わかってはいるのだけど、やっぱり気は緩むなぁ。

ちょっと休憩

7月1日にルーシャとリーノがやってきてからというもの、時間の経つのが一層速くなった。カリブの休暇なんて、もう遠い昔の出来事のようだ。あんなに強烈だった印象もすっかり薄れてしまった。

最近は個人行動が増えてきたけれど、ほんわかと仲のいい兄妹

今年はそれでなくても、一つの仕事から次の仕事へと飛びわたってきたような気がする。うれしいことだけれど、時間に追われてばかりだ。とはいえ、過去の経験から、ストレスで心身を壊さないようにと注意はしている。夜の仕事はなるべく控え、仕事を切り上げた後は体を動かす。天気がいいときは、読み物など外でできることはなるべく外でする(これは、ただ単に好きだからかな)。な~んて、思い返すと、毎日夜中まで仕事をしている人に、「ちぇっ」と舌打ちでもされそうだ。でも、なるべくストレスを減らし、かつ、いろいろな仕事に挑戦する。無理な仕事を引き受けてクライアントに迷惑をかけることは避けなければいけないが、挑戦は必要だ。

挑戦といえば、ここ数年間、よく聞くのが、ドイツ語より英語の通訳が求められているということ。私は英語の通訳はお断りさせていただいている。まったく自信がないからだ。翻訳でさえ、学校の成績を思い出しては「よくこんなことをやっているなぁ」と我ながら感心したりあきれたり。熟練通訳者の大先輩たちからはよく、「英語もやりなさいよ。仕事の幅がぐっと広がるわよ」と言われるけれど、そんな恐ろしいことはとてもできない。無理な挑戦は、やっぱり避けなくちゃね。必要なのは「健全な自信」。これも実際はなかなか持てないものだろうけど。

猫の威力

モグリの時もそうだった。瑞筆に書く内容がモグリに傾いた。

向かいの家庭も、うちより少し早く同じような猫を2匹飼い出した。そばに来ても逃げ出しはしないけれど、自分たちから近づくこともない

それから、道端で話をする相手が増えた。今の家では道端ではなくて庭で、だけど。それはやっぱりリーノとルーシャのおかげだ。驚いたのは、これまで目も合わせようとしなかった近所の子どもたちが、うちに遊びに来るようになったこと。いやぁ、猫の威力はすごい。まだまだ無口だけれど、猫と遊びたいがために、暗くなっても帰ろうとしない。で、様子を見に来た若い親たちとも、これまでしなかったような話をするようになる。

猫アレルギーはだいぶん良くなった。猫たちが外に出るようになり、夏の陽気に誘われて私も外で過ごす時間が増えたからだ。布地の多い居間にいるときは、空気清浄器を動かす。猫たちも大きくなって、毛がだんだん太くなってきたせいもあるだろう。前にモグリにしていたように、この子たちのお腹のいい匂いを嗅ぐことはできないのかなぁと寂しく思っていたけれど、最近は2匹に顔を近づけても喉の違和感は感じない。この分なら、この先は心配いらないかな。

うちから見える日没はいつも感動的

ルーシャとリーノ

家族が増えた。やっと。でも、一方では、こんなあっという間に、とも思う。

友人宅にまたもや子猫が生まれたニュースを聞いたのは、カリブの休暇を楽しんでいたときだった。初めはほとんど関心を示さなかった夫が、なぜか翌日「2匹もらおう!」と突然決心した。あとで「どうしていきなり決めたの」と聞くと、「さあ?休暇で気持ちがゆったりしてたからかなぁ」などと言う。

モグリによく似たルーシャは女の子。一見おっとりしているけれど、実はきかんぼうで好奇心旺盛。

モグリのオレンジ版のリーノは男の子。落ち着きなく動き回る一方で、ちょっと臆病。ホントに、猫にもいろんな性格があるものだ。

我が家にやってきて1週間以上が経ち、今では2匹とも私たちを飼い主と認めてくれたよう。でも、私は昼間仕事部屋に閉じこもっていることが多く、ふらっと出てきては悪さをしている2匹を叱ってばかりなので、2匹とも私の姿を見ると用心するようになっている気もしないではない。

悲しいのは私に猫アレルギーが出てしまったこと。引っ掻き傷が腫れてかゆくなるのはモグリのときもそうだったけれど、今回は2匹いるせいか、喘息のような症状に悩まされている。最近は、布が多い居間にいるときはマスクをつけ、夜寝る前には外のテラスでしばらく過ごし、肺を洗浄。でも、きれいさっぱりとすっきりすることはなく、だんだんアレルゲンが体内に溜まっていっているような感じがする。HEPAフィルター付きの空気洗浄機を注文したので、今はそれが来るのが待ち遠しい。

2匹なので、放っておいてもレスリングやら追いかけっこやらして遊んでいるけれど、その分、エネルギーの発散もすごい。じゃれていたのがいつの間にかケンカになることもしょっちゅう。追いかけっこをしているときは、走り回るというより、家の中を飛んでいる感じだ。今週末には外に出す予定だが、これもまた待ち遠しくてたまらない。

仲のいい姉弟