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通訳の世界の変化

…と題してみたけれど、実のところ、通訳にはもうほとんど携わっていない。2年前に始まったコロナ・パンデミックの影響で、日本からスイスを訪れる人は観光でもビジネスでもほとんどいなくなったからだ。役場での結婚式の依頼が数件あったけれど、コロナが最高潮の頃はどれもお断りした。

今はまた少しずつ国際的な往来が増えつつあるようだ。春に帰国を決めた知人・友人は少なくない。仕事で来瑞するという声も聞き始めた。

でも、パンデミックの間に会議はオンラインが主流になり、オンライン通訳を求める声が増え出したのも確かだ。どこからともなく舞い込むPRメールもオンライン通訳募集のものがちらほら。たまにいただく問い合わせもオンライン。現地訪問もこれからまた増えてくるかもしれないけれど、ネットの発展を見ていても、オンライン通訳の需要はやはり高まりそうだ。私は生身の人間同士の間で動く方が好きだけれど……。

春は天気の変化が目まぐるしい。20度近くにまで気温が上がったかと思うと、また雪が降ったり、突風が吹いたりする。今はまとまった降水の後で緑がみずみずしい

歩きながら思うこと

久しぶりに緊張の1週間を過ごした。仕事は2件だけだったのだけれど、私の見積もりでは両方とも納期が少し厳しく、1件は内容も込み入ったものだった。なので今週はろくに新聞も読まず、お昼も夕食もあまり時間がかからないメニューにし、外出は買い物をさっと済ませるのみ。今日のお昼に2件目の仕事を納め、ほっ。いつもそうだけれど、あとはクライアントに満足してもらえる出来であることを祈るのみ……。

今朝はシャワーも浴びずに仕事に取り掛かり、結局お昼の納期ぎりぎりまで続いたので、昼食の後にシャワーを浴びてから買い物がてら1時間のウォーキングへ。久々にまとまった時間を歩く。空には雲が多いが、明るい。今朝うっすらと積もっていた雪はほとんど溶けていて、舗装されていない野道にはぬかるみも多い。夫と歩くと、避けて通りそうな道だ。週末は車で少し遠出をして歩きに行くので、泥だらけの靴で車に乗って、座席の下が汚れるのを嫌うからだ。

でも、私はこんな道を歩くのも好き。子どもの頃を思い出す。大通り以外はまだ舗装されておらず、雨が降ると水たまりがあちこちにできた。傘を持っているときは、歩きながら先端を水たまりにつけてずるずると引きずり、その部分だけ土が巻き上がって濁るのを見るのが楽しかった。ぬかるみにぴちょぴちょと靴がくっつく感じも好きだ。靴が泥だらけになるかなと思いながらも楽しみながら速足で歩く。

畑や牧草地を過ぎ、街中に入った時、ふとチェコ製の車、シュコダが停まっているのが目に入った。先日、スイスでいま最も売れているのはテスラとシュコダという新聞記事を読んだことを思い出す。これは何ともスイスらしい現象だ。テスラは言うまでもなく、高級電気自動車。そしてシュコダは安価で丈夫な大衆車だ。これが1位と2位を占めている。矛盾しているようだけれど、スイスにはやっぱりお金持ちが多いこと、富裕層が「札束」を見せびらかさないこと、国民の環境に対する意識が強いこと、良いものは皆がブランドに関係なく選ぶことを示している。車の売れ行きにも国民性は表れるのだ。

週末の散歩の帰り、ときどき家の近くの湖に寄って焼き栗を買い、岸辺で一休み

やっと実現……

見よ、この青空!

と言っても、スイスの平野部に住む人にしか、この嬉しさはわからないはず……。今年はやたらと霧が多い。海抜約400メートルのチューリヒの街より200メートルほど高いところにあるおらが村は、それでも比較的青空が多く覗く。でも、上空1000メートルくらいを霧が覆うともうアウトだ。

写真はザンクトガレン州の標高1000メートル近くにあるロイペ。実は3日前に念願のクロスカントリースキーデビューを果たした。数年前に、夫はスノーシューズハイキング、私はクロスカントリーに興味を持ち出し、一昨年の秋にやっとクロスカントリーで意見がまとまって、服や手袋をとりあえず揃えた。でも、その冬は雪が少なく、近所ではスキーはまったく無理だった。そのうちコロナが流行り出し、リフト待ちや人ごみの多いケーブルカーを避けたがる人たちがアルペンからクロスカントリーに鞍替えし、クロカンスキー場はどこもいっぱいに。

まったくの初心者なので、まずはレンタルで様子を見、できればクラッシュコースなども受けたい。ということで、去年はデビューを見送ったのだった。

そして今年。11月末にかなりまとまった量の雪が降り、その後も雨がなかったので、うちから車で30分くらいのところにあるロイペに出かけてみた。運よく貸しスキーの前の駐車場は1台分のスペースが空いていて、それほど待たずにスキーも借りられ、試しに聞いてみたクラッシュコースも受けることができ、1時間ほどコーチングしてもらって、尻もちを3回ついてきた。久々についた尻もち!アルペンスキーを初めて滑ったとき以来だろう。すごく痛かったけれど、なんだか懐かしい思いがした。

翌日も標高1000メートルくらいより上は好天。おらが村は霧の真っただ中。尾てい骨は痛かったけれど思ったほどでもなく、筋肉痛もほとんどない。今度は1時間くらい車を走らせて、ザンクトガレンまで行ってみた。途中、太陽が徐々に霧の中に浮かび上がったかと思うと、いきなりまぶしい青空が広がる。いつも心浮き立つ瞬間だ。

この辺りはアルペンスキーも盛んな地域で、夏はハイキングも楽しい。ロイペはこれまでいつも車の中から眺めるだけだった。お昼前に駐車場に着いた。もうかなりいっぱいだ。でも、何とかスペースを見つけ、近くのお店でまたスキー板とブーツを借りる。そばにはスキーリフトやそり遊びの場所もあり、お目当てのロイペはかなり広い。アルペンスキーヤーの方が多いのか、車の数の割にはロイペは空いている。初心者の私たちにはありがたい環境だ。クラシカルを練習しながら一生懸命滑る私たちの隣をスケーティングの熟練スキーヤーがすいすい追い抜いていく。クラシカルより断然多いような気がする。みんな、うまいなぁ。

2時間ほど汗をかいて、2人とももう充分。こういう汗ももう久しい。そして、帰りの車の中の疲労感も。

クリスマスは残念ながら気温が上がり、おらが村は雨になりそうだ。ロイペはどうかなぁ。クリスマス休暇中にもう少し練習したいところだけど……。

現代技術の恩恵いろいろ

最近、日本の製造元から直接製品を送ってもらうことが増えてきた。これまで日本の実家に送ってもらい、実家からまとめてスイスへ小包を送ってもらっていたのだけれど、いろいろと送ってもらうものが増えてきて、何度も手を煩わせるのが申し訳なくなってきた。今はウェブサイトを設けている業者が多いし、日本国内への郵送の説明しかなくても、直接問い合わせると、みなさん本当に丁寧に対応してくださる。外国の個人向けに製品を送るのは初めて、という会社がほとんどだが、いろいろと調べてくださり、しっかりとスイスまで送ってくれるのだ。これっぽちしか頼んでないのにすみません…という心境で、ありがたくお世話になる。

その製品は食品、キッチン用品、寝具、とさまざまなのだけれど、メールでのやり取りを思い出し、親切な対応を思い出しながら、工場で大量生産された品ではない、みなさんの心が伝わってくる製品をほっこりした気持ちで使っている。これは私にとって現代技術の大きなメリットだ。

一つ気になるのは、宅配の小包を増やしてしまうこと。このコロナ渦でネットショッピングを利用する人がまた増えた。うちのアパートの郵便受けの前や上にも、ときには10個近い段ボール箱が積み上げられる。若い世代はネットで服や靴をいっぺんにいくつも注文し、要らないものを送り返すという買い物の仕方をしている。ただでさえ酷使されている宅配業者のドライバーや郵便局の配達員はそんなカルチャーに取り巻かれて悲鳴を上げているようだ。統計によると、今年は実際に配達車の量が増えている。これからクリスマスシーズンに入り、またさらに小包の量が増えることだろう。

環境破壊のストップを訴えて多くの若者がデモに参加しているけれど、ときどきふと、彼らはどんな買い物の仕方をしているのか、と思う。配達車が増えれば当然ガソリンもその分余計に必要になり、排気ガスが増え、道路は混雑し、配達員にかかる負担が増す。これも未来の天秤の均衡を崩す一要因ではないのか。安価な洋服や靴を毎年買い捨てていていいのか。どうしてそんなに安価なのか考え、それでも良心の呵責を感じることなく買っているのだろうか。このトレンドは若者だけが作り上げたものではないから、彼らだけを責めるわけにはいかない。マネー第一主義のなせるわざだ。スイスのきれいに舗装された道路を「闊走」している無駄に大きいSUVも早く小型化されて欲しい。

まだ美しい緑の芝生の上に落ち葉が絨毯のように重なり落ちる

葉っぱが落ちた小枝はまるで線香花火のよう

夏が来るのを待っているうちにもはや秋

異常気象が当たり前になってしまったかのような最近の地球。若者が未来を悲観して世界中で声を上げるのも無理はない。それでも、政治の歯車が回る速度は遅々として上がらない。私も含め、一度手にしてしまった便利さはなかなか手放せない人間……。

今年は雨が多く気温が低い夏だったうえに、雹やあられの被害が大きく、農作物はイチゴやアプリコットから、トウモロコシ、ブロッコリーなどまで不作が広がった。サラダ菜も、ミニサイズのものを多く見かけた。きっと太陽の光が足りなくて、育たないのだろう。トマトの甘みも去年より少ない。ブドウの被害も大きく、農家はどこもたいへんだ。

こんな風に、夏らしくなるのを待っているうちに、もう秋になってしまった感じがする。スイカや素麺を食べる機会もほとんどないままに。スイスの夏は短いので、よけい残念だ。その短い夏の間、気がついたらブログもさぼったままだった。コロナウイルスは相変わらず人間社会を支配しているので、今も家の近所をうろうろするだけ。でも、外を歩くと、季節の移り変わりは、目で、肌で感じる。

6月は隣村に真っ赤なひなげしのじゅうたんが広がった

今年はアジサイが色づくのも早かった。何もしないのにどんどん大きくなって、道行く人の目も楽しませてくれる。夏はイチゴミルク色

 

フランス語圏ヴォー州で秋休み。予想外の好天に恵まれ、てくてく、てくてく
ユネスコ世界遺産にも指定されているジュネーブ湖畔のラヴォー。いつ見ても美しい
今朝の窓からの眺め。毎朝、靄が出るようになり、すっかり秋の気配