冷や汗、ドキドキ

詐欺にあいそうになった。たぶん、あっていないと思う。

そのとき私は会社にいた。だんだんトロくなっていたネットがついに動かなくなり、ツールにも入れなくなったので、新聞を読んだり、スマホでプライベートの メールを確認したり。すると、スイス人の友だちから「ヘルプ!」というメールが入っている。開けてみると、たくさんの人に送って、誰でもいいから当たった 人に助けを請うような書き方だった。

「今、外国にいるのだけれど、カバンを盗まれた。パスポートも財布も飛行機のチケットも入っていた。大使館へ行ってなんとかパスポートなしでも帰られるよ うにしてもらったが、ホテル代を払ったり飛行機のチケットを買ったりするお金がない。至急貸して欲しい。帰ったら、必ずすぐに返す」

あらまあ、たいへんだ。でも、ご主人は一緒じゃないのかな。「私たち」ではなく、ずっと「私」と書かれている。それだったら、どうして家にいる彼に助けを 求めないんだろう。まず、そう思った。それに、大使館はわざわざ帰る手配をしてくれたのに、お金は貸してくれないのだろうか。それに、外国とだけ書いてあ るのも気になった。友だちに助けを求めるメールに、どうして行き先くらいきちんと書かないのか。最後に、絶対にすぐに返すと書いていること。こんなことは 当たり前だろう。書くに及ばない。彼女が書いたにしては、変なメールだ。でも、アドレスはあっている。ドイツ・ヤフーのアドレスだ。

とりあえず、彼女と話さなくちゃと思い、メールにあったホテルの電話番号にかけた。携帯からかけると高くなるので、ちょっと会社の電話を拝借。かける前 に、一応どこの国か調べる。+44……イギリスの辺りだ。ここで、国番号だけじゃなく、全部の番号を入れて調べればよかった。

が、ネットが使えない。スマホで調べるのは面倒だ。なので、まずホテルに電話をかけた。英語で「しばらくお待ちください」か何か、短い伝言があった後、 1、2分待って切った。埒が明かない。メールで聞いてみよう。1本しかない回線を、彼女が使ってあちこち電話しまくっているのかもしれない。「今、どんな 感じ?ホテルに電話しても話し中だよ」。すぐに返事が来る。「650ポンドをWestern Unionに振り込んで欲しい。帰ったらすぐに必ず返すから」とまたある。これはやっぱりおかしい。彼女はそんなことをいちいち言う人ではない。

そこでやっと、自宅に電話してみようと思い立った。が、通話中。ん~、これはやっぱり……と思って携帯に電話。出た!「今、どこにいるの?スイスだよ ね?」と私。「そうよ~。わかってる、今、処理してるところよ」と彼女。朝からひっきりなしに電話やらSMSやらで確認が来たそうだ。ヤフーのメールアカ ウントはすぐに閉鎖してもらい、警察にも通報したという。「振り込んでいる人が誰もいないことを祈るのみ」と腹を立てながらも、犠牲者がいないようにと願 う彼女。

後からネットでこの番号を調べると、すでに騙された人が数人、ブログなどで警告しているではないか。新聞の報道もある。ああ、最初に調べるべきだった。でも、とりあえず偽メールであることはわかったから、騙されなかったぞ。

夕方、家に戻った夫にそのメールを見せ、「こんなんが来たよ。でもね、こうしてああして、詐欺だったことがわかったのよ」と報告。夫はよくやったとばかり に笑い飛ばした。。。が、そのとき夫に見せたサイトをじっくり読んでいたら「この電話番号に電話をかけただけで、おそらくとんでもない金額を払うはめにな るはず」と書かれているではないか!えっ、そんな!そこまでは考えなかった……。その人は実際被害にあったわけではなさそうだが、自信満々にそう書いてい る。

心臓がどきどきし出した。夫に言うと、態度を豹変させてののしる、ののしる。すぐに会社の上司に電話した。なにせ、会社の電話を使ったのだから。サイトに は、3桁あるいは4桁の金額になるのはあっという間だと書かれている。日本だと数万円から数十万円だ。私は2回目に電話したとき、5分待った。そのとき、 呼び出し音のまま待ち続けたのか、いったんつながってから待ったのか、もう覚えていない。ぼったくりだったら、5分の通話は相当な金額になるに違いない。 どうしよう~。

上司は、「心配しないで、こちらに任せなさい」と頼もしいことを言ってくれた。おかげで、少し気が楽になる。夫も、電話でお金を取ろうとする詐欺だったら、もっと騒がれているはずだ、そんなことはもう気にするな、と あとから慰めてくれた。私もだんだんそんな感じがしてきたが、夜はやっぱりよく眠れないまま。

翌朝、会社に行き、すぐに電話機に記録されている昨日の通話料金を調べてみた。イギリスには1回かけているのみで、通話料金は1フランに満たなかった。よかった~~~。でも、まだ油断はならない。上司がきちんと調べてくれるまでは。

そして2日後、上司から「電話会社に確認したら、今の時点では通常の料金しか記録されていない」とのこと。これでほぼ安心してよさそうだ。よかった~~~。

何かの役に立つかもしれないので、ここにその文面を載せておこう。プロバイダーに確認したところ、こういうスパムメールを受け取ったことで自分のメールア カウントもハッカーに遭うというようなことは通常はない、とのこと。ほっ。これからはまず本人の携帯や自宅に連絡を入れるようにしよう。

Ich bin zur zeit im Ausland und habe meine Tasche verloren samt Reispass und kreditkarte. Die botschaft ist bereit, mich ohne meinen Pass fliegen zu lassen. Ich muss nur noch für mein ticket und die hotelrechnungen zahlen. Leider habe ich kein Geld dabei, meine kredit karte könnte helfen aber die ist auch in der Tasche. Ich habe schon kontakt mit meiner Bank aufgenommen, aber sie brauchen mehr zeit, um mir eine neue zu schicken. Ich wollte dich fragen ob du mir ein bisschen Geld so schnell wie möglich leihen kannst. Ich gebe es dir zurück sobald ich da bin. Ich muss unbedingt den nächsten Flug bekommen. Du kannst mich durch e-mail oder durch die Hotel Reception erreichen kann unter di nummer +447024030611.

Ich warte auf deine Antwort…

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