月: 2013年3月

西オーストラリア、最高!

6年ぶりの西オーストラリアは鉱山ブームで、物価はスイス並みに上がっ ていた。北西部のエックスマウスの空港で夫が飲んだハイネケンの小ビンは9ドルもした。日本円にすれば約900円。異常な高さだ。田舎町だったエックスマ ウスは高級リゾート地の色が濃くなりつつある。パースでは少し安めだったけれど、西オーストラリア最大のこの街は拡大するばかり。高層ビルが増え、今も駅 前やウォーターフロントで開発が進んでいる。そんなにピカピカさせなくてもいいのになぁ。素朴だったパースが懐かしい。

Perth

でも、西オーストラリアはやっぱり最高!大好きなウミガメと一緒に泳げた!イルカもすぐ近くまで来てくれたし、カンガルーも逃げられてしまってばかりだけ ど会うことができた。エミューは相変わらずエックスマウスの町なかをのんびり歩いていた。シュノーケル・ツアーでは、パースに住む女性がちょっと大き目の サメが休んでいるところを見つけて教えてくれ、初めて見るサメに興奮。

この辺りではジンベイザメと一緒に泳ぐこともできる。夫はそれを楽しみにしていたが、そのツアーは1人なんと4万円近くする。見られなかったら、6年以内 にもう一度ただでツアーに参加させてくれるそうだが、私たちはパス。パースへ帰るとき、エックスマウスの空港で偶然、ツアーに参加して幸運にもジンベイザ メと一緒に泳いだというスイス人女性と出会った。彼女は目をきらきらさせてその素晴らしさを語っていた。ちょっとうらやましかったけれど、私はウミガメと 泳げただけで十分幸せ。

Coral Bay

コーラルベイ。エックスマウスから100キロほど南下

 

Outback

西オーストラリアのアウトバック

 

 

ターコイズベイへ向かう途中。道路のすぐそばの木陰で発見!

ターコイズベイへ向かう途中。道路のすぐそばの木陰で発見!

 

コーラルベイからさらに600キロ南下してモンキー・マイアへ

コーラルベイからさらに600キロ南下してモンキー・マイアへ

オーストラリア北西部にはニンガルーリーフが広がり、ビーチからすぐサ ンゴ礁へ行くことができる。グレートバリアリーフの華麗さには及ばないだろうと6年前はシュノーケルをしなかったが、ビーチと目と鼻の先に素晴らしい海底 世界が広がっている。エックスマウスにいる間は、毎日ターコイズベイに通い、最後の日にはウミガメとしばし一緒に過ごさせてもらった。手を伸ばせば届きそ うな距離で、15分も20分も一緒にいたのは初めてのこと。カメが息継ぎに海面に上がるとき、隣を泳ぐ私の心臓はドキドキ。こんな機会を得られたことに対 する感謝の気持ちでいっぱいだった。寒さを我慢してずっとシュノーケルを続けていたが、もう我慢できなくなって、何度目かの息継ぎのとき、浮上したあとま た海底に戻っていくカメの甲羅をそっと撫でて、別れを告げた。「どうもありがとう。バイバイ」。カメの宇宙遊泳、いつ見ても魅了される。

その前日は、体長40センチほどのリーフシャークが波打ち際にいる魚を追いかけるシーンを目撃。そのまた前日は沈む夕陽を見ようと6時半頃までビーチに残 り、帰り道の薄闇の中に何匹もカンガルーを発見。今回は残念ながら徒歩でカンガルーに出くわすことはなかった。でも、遠くからじっとこちらの様子を伺って いるカンガルーの姿は忘れられない。そうそう、一度昼間に道路のすぐそばでボクシングをしているカンガルーを目撃したことも。ライブで見たのは初めてだっ た。車をバックで戻したときには、喧嘩をしていたはずの2匹は仲良く姿を消してしまったけれど。

 大自然を満喫した夫は、2020年の北西オーストラリア旅行をすでに予定している。

ターコイズベイはエックスマウスから60キロ

ターコイズベイはエックスマウスから60キロ

冷や汗、ドキドキ

詐欺にあいそうになった。たぶん、あっていないと思う。

そのとき私は会社にいた。だんだんトロくなっていたネットがついに動かなくなり、ツールにも入れなくなったので、新聞を読んだり、スマホでプライベートの メールを確認したり。すると、スイス人の友だちから「ヘルプ!」というメールが入っている。開けてみると、たくさんの人に送って、誰でもいいから当たった 人に助けを請うような書き方だった。

「今、外国にいるのだけれど、カバンを盗まれた。パスポートも財布も飛行機のチケットも入っていた。大使館へ行ってなんとかパスポートなしでも帰られるよ うにしてもらったが、ホテル代を払ったり飛行機のチケットを買ったりするお金がない。至急貸して欲しい。帰ったら、必ずすぐに返す」

あらまあ、たいへんだ。でも、ご主人は一緒じゃないのかな。「私たち」ではなく、ずっと「私」と書かれている。それだったら、どうして家にいる彼に助けを 求めないんだろう。まず、そう思った。それに、大使館はわざわざ帰る手配をしてくれたのに、お金は貸してくれないのだろうか。それに、外国とだけ書いてあ るのも気になった。友だちに助けを求めるメールに、どうして行き先くらいきちんと書かないのか。最後に、絶対にすぐに返すと書いていること。こんなことは 当たり前だろう。書くに及ばない。彼女が書いたにしては、変なメールだ。でも、アドレスはあっている。ドイツ・ヤフーのアドレスだ。

とりあえず、彼女と話さなくちゃと思い、メールにあったホテルの電話番号にかけた。携帯からかけると高くなるので、ちょっと会社の電話を拝借。かける前 に、一応どこの国か調べる。+44……イギリスの辺りだ。ここで、国番号だけじゃなく、全部の番号を入れて調べればよかった。

が、ネットが使えない。スマホで調べるのは面倒だ。なので、まずホテルに電話をかけた。英語で「しばらくお待ちください」か何か、短い伝言があった後、 1、2分待って切った。埒が明かない。メールで聞いてみよう。1本しかない回線を、彼女が使ってあちこち電話しまくっているのかもしれない。「今、どんな 感じ?ホテルに電話しても話し中だよ」。すぐに返事が来る。「650ポンドをWestern Unionに振り込んで欲しい。帰ったらすぐに必ず返すから」とまたある。これはやっぱりおかしい。彼女はそんなことをいちいち言う人ではない。

そこでやっと、自宅に電話してみようと思い立った。が、通話中。ん~、これはやっぱり……と思って携帯に電話。出た!「今、どこにいるの?スイスだよ ね?」と私。「そうよ~。わかってる、今、処理してるところよ」と彼女。朝からひっきりなしに電話やらSMSやらで確認が来たそうだ。ヤフーのメールアカ ウントはすぐに閉鎖してもらい、警察にも通報したという。「振り込んでいる人が誰もいないことを祈るのみ」と腹を立てながらも、犠牲者がいないようにと願 う彼女。

後からネットでこの番号を調べると、すでに騙された人が数人、ブログなどで警告しているではないか。新聞の報道もある。ああ、最初に調べるべきだった。でも、とりあえず偽メールであることはわかったから、騙されなかったぞ。

夕方、家に戻った夫にそのメールを見せ、「こんなんが来たよ。でもね、こうしてああして、詐欺だったことがわかったのよ」と報告。夫はよくやったとばかり に笑い飛ばした。。。が、そのとき夫に見せたサイトをじっくり読んでいたら「この電話番号に電話をかけただけで、おそらくとんでもない金額を払うはめにな るはず」と書かれているではないか!えっ、そんな!そこまでは考えなかった……。その人は実際被害にあったわけではなさそうだが、自信満々にそう書いてい る。

心臓がどきどきし出した。夫に言うと、態度を豹変させてののしる、ののしる。すぐに会社の上司に電話した。なにせ、会社の電話を使ったのだから。サイトに は、3桁あるいは4桁の金額になるのはあっという間だと書かれている。日本だと数万円から数十万円だ。私は2回目に電話したとき、5分待った。そのとき、 呼び出し音のまま待ち続けたのか、いったんつながってから待ったのか、もう覚えていない。ぼったくりだったら、5分の通話は相当な金額になるに違いない。 どうしよう~。

上司は、「心配しないで、こちらに任せなさい」と頼もしいことを言ってくれた。おかげで、少し気が楽になる。夫も、電話でお金を取ろうとする詐欺だったら、もっと騒がれているはずだ、そんなことはもう気にするな、と あとから慰めてくれた。私もだんだんそんな感じがしてきたが、夜はやっぱりよく眠れないまま。

翌朝、会社に行き、すぐに電話機に記録されている昨日の通話料金を調べてみた。イギリスには1回かけているのみで、通話料金は1フランに満たなかった。よかった~~~。でも、まだ油断はならない。上司がきちんと調べてくれるまでは。

そして2日後、上司から「電話会社に確認したら、今の時点では通常の料金しか記録されていない」とのこと。これでほぼ安心してよさそうだ。よかった~~~。

何かの役に立つかもしれないので、ここにその文面を載せておこう。プロバイダーに確認したところ、こういうスパムメールを受け取ったことで自分のメールア カウントもハッカーに遭うというようなことは通常はない、とのこと。ほっ。これからはまず本人の携帯や自宅に連絡を入れるようにしよう。

Ich bin zur zeit im Ausland und habe meine Tasche verloren samt Reispass und kreditkarte. Die botschaft ist bereit, mich ohne meinen Pass fliegen zu lassen. Ich muss nur noch für mein ticket und die hotelrechnungen zahlen. Leider habe ich kein Geld dabei, meine kredit karte könnte helfen aber die ist auch in der Tasche. Ich habe schon kontakt mit meiner Bank aufgenommen, aber sie brauchen mehr zeit, um mir eine neue zu schicken. Ich wollte dich fragen ob du mir ein bisschen Geld so schnell wie möglich leihen kannst. Ich gebe es dir zurück sobald ich da bin. Ich muss unbedingt den nächsten Flug bekommen. Du kannst mich durch e-mail oder durch die Hotel Reception erreichen kann unter di nummer +447024030611.

Ich warte auf deine Antwort…