腕白でもいい

すごく気に入った写真をある雑誌で見つけ、切り抜いて仕事机の前に貼った。こんなことは初めてかも。

その雑誌はわたしたちが加入している健康保険会社から送られてきたもので、写真が載っていた記事のテーマはリタリンだった。今、リタリンを投与される子どもが増えている。中身は全然読んでいないけど、たぶん、その是非を問う記事なのだろう。

写真には2人の子どもが写っている。左側手前に大きく写っているのは、ベッドの上に腹ばいになり、両手にあごを載せている3、4歳の金髪ショートカットの 女の子。下唇を突き出して、ちょっとシラっとした感じだ。その右背後にベッドの上で元気よく飛び跳ねる同い年くらいの男の子。いかにも腕白そうな表情で、 でもすっごく楽しそうに、両足をぎゅっとお腹の方に引き上げて、ベッドの上の空中で止まっている。やっぱり金色をした髪の毛は、男の子が飛んで頂点に達 し、下降に入る一瞬に撮ったと見え、逆立っている。すごく躍動感にあふれた写真だ。逆立った髪と楽しそうな表情とMの字型に曲げた両足、そして空を掻く小 さな手。すべてが生命にあふれている。

前にいる女の子もこの腕白坊主にうんざりしている様子をよく表していて、なんとも素晴らしい組み合わせだ。

この写真を見た瞬間、私は声を出して笑った。何度も何度も、写真を手に取って笑った。なんて素敵な写真なんだろう。「腕白でもいい。たくましく育って欲しい」。そう言える社会が少し懐かしくなった。

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