月: 2011年1月

ロイテの谷のウエルネス

やっと願いが叶った。スイスの国境近くのロイテ(Reuthe)の谷にあるホテル「Bad Reuthe」http://www.badreuthe.at/に 5年ぶりに宿泊することができたのだ。ここは4つ星ウェルネスホテル。私たちにはちょっと贅沢すぎるかもしれないが、以前、盲ろうの女性の付き添いで訪 れ、食事がおいしく、みんな親切だったのですごく気に入ったホテルだ。以来、温かい水に浸っているのが大好きな夫も一度ぜひ連れてきてあげたいと思ってい た。

今年はわたしの誕生日がちょうど週末に当たったこともあり、2人して月曜日に有休を取って2泊3日でロイテに滞在。わたしがずっと「食事がとってもおいし かった」とか「サラダビュッフェが最高」とか言い続けていたので、夫の期待は膨らむばかり。わたしはだんだん「期待はずれでがっくりしたら、いや、それど ころか怒り出したらどうしよう」と不安になったほど。

結果から言えば、夫はサウナにも蒸気風呂にも、食事にも満足。ああ、よかった。わたしも変わらずおいしいサラダビュッフェににんまり。誕生日の朝食のテーブルにはプロセッコの小瓶を発見して、初めて朝食にアルコールをいただいた。

ホテルの部屋から見る夕景

ホテルの部屋から見る夕景

ここのサウナ・蒸気風呂は全裸の混浴。スイスのウェルネスもだいたいどこでもそうだと思う。もう10年も前になるかもしれないが、義妹たちが入場券をプレ ゼントしてくれたウェルネス施設でサウナに入ったときもやっぱり全裸の混浴で、中はまあいいとして、サウナから出てくると、目の前にタオルで体をくるみ、 足浴をしている若者(がほとんどだったと記憶している)がずらずらずらっと並んでいて、サウナから出てくる真っ裸の人をじろじろと眺めている。それがす ご~くいやな感じで、以来、わたしはサウナを敬遠していた。

でも、ここの全裸コーナーはそんな作りではなく、たまたまそれほど混雑もしていなかったので、3日間思う存分ウェルネスを楽しんだ。近くにある湿原で取れ る泥のパックや薬草風呂などもあるが、わたしは背中のマッサージだけしてもらった。そのときにマッサージ師の若いお姉さんから「お客さんの8割はスイスか らなのよ」と聞き、びっくり。確かにチューリヒから車でたったの2時間だし、今はユーロも安い。ホテルに着いたとき、駐車場にスイスの車がたくさんあるな あと思ったが、それもそのはず。口コミで評判が広まったそうだ。

一日中日が当たらない場所なので、木々は凍りついている

一日中日が当たらない場所なので、木々は凍りついている

わたしたちが泊まった部屋は一番安い部屋だったので、夫は「これが4つ星かぁ?」とちょっと不満げだったけれど、3食付で1人1泊約95ユーロだったのだ から文句は言えまい。すぐ目の前にカントリースキーのコースがあり、スキー場も近い。利用客はお年寄りばかりではなく(彼らは仲間の男女で来て、みんなで 仲良く真っ裸でサウナや蒸気風呂に入ってました。オドロキ)、若者も多い。いつかまたぜひ訪れたいホテルですね。

迎笑

新しい年が明けたばかりだというのに、やたらと救急車のサイレンが聞こえる。元旦からたいへんだなあ。

我が家は何事もなく、いつも通り年を越した。大晦日は、私の娘といってもおかしくない若いバレエダンサーの卵を迎えてチーズフォンデュをし、新年を迎えた のは彼女の小さな自宅だった。チューリヒ市内の高台に建つアパートの窓から花火が見えた。彼女は2月にバーゼルに引っ越す。本当にたまにしかうちに呼べな かったけど、バーゼルへ引っ越してからもまた時々遊びに来てもらいたい。食欲旺盛で何でもおいしいと食べてくれる人を見ているのは、やっぱり気持ちのいいものだ。ダンサーを目指す彼女にとっては、食べたあとがたいへんだろうけど。

Schnee im Wald家に帰ってベッドに入ったのは1時半ごろ。今朝、目が覚めたらもう10時半だった。でも、いいや。今日はゆっくりしよう。元旦だもの。

毎月書いてきたNHKの連載ももう終わり。最後の原稿を出したから、来週早々校正が返ってくるだろう。1年間、けっこうたいへんだったけど、勉強になっ た。編集部のみなさんの真摯な姿勢がうかがえた。私の連載を楽しみにしてくれている人がいることを知って、とても、とてもうれしかった。

今年はどんな年になるだろう。自分も周りの人も心身ともに健康で、たくさん笑える年になりますように。