月: 2006年5月

やっぱりさ~

ちょっと残念な出来事があった。ここに詳しく書くことはできないけれど、「うまく利用されただけなのかなあ、やっぱり」と思うような出来事だ。

私は人にあまり期待をしないようにしているけれど、それでも心のどこかで不満を感じることはやっぱりある。それはそうだ。私は悟りを開いたわけでもない し、無私のシスターでもない。別にお礼を言ってもらいたくて行動しているわけではないが、ちょっとした一言があるかないかで、人の心というものは大きく揺れ動く。

我ながら了見が狭いかなあ、と思ったりもするけれど、世の中にはやっぱり礼儀というものもあって、それなしには物事は円滑に運ばないんじゃないか、とも思 う。幸い、いまはやらなければならないことがたくさんあるので、こんなことばかりグルグルと考えていられない。人間、40何年も生きていれば、そんなこと だってあるさ!

日本からの訪問客

なかなか忙しい、そしてまた楽しい日々だった。ドイツ語の「ドレーシャイベ」のページで紹介している日本のろう青年とりちゃんが来瑞し、約1週間、彼と一 緒にドイツ語圏スイスにあるさまざまなろうの組織を訪問していたのである。とりちゃんのホテル予約から組織訪問の問い合わせやスケジュールの調整など、彼 の来瑞前から大忙し。加えて、夫、義母とともに日本へ帰ることも決まり、その準備やら訳書に載せる資料収集作業やらもあり、何とかそれを済ませたところに 彼がやってきた。

とりちゃんとは初対面で、私は日本の手話ができないため、コミュニケーションに少々不安があったけれど、彼はここの手話を学ぶために来ていたので、真剣に 私たちの手話を勉強して、帰る頃にはスイスのろうの人ともかなり会話ができるようになっていた。私たち健聴者が一つの外国語を勉強して、その国の人と話せ るようになるにはかなりの時間がかかるけれど、それに比べれば手話はすぐだ。勘違いがままあることは否めなくても、簡単な会話なら結構早くできるようにな る。なんともうらやましい。

これからはビデオフォンやショートフィルムなどをメールに添付するなどして、私がいなくても、今回知り合ったスイスの人々との友好を深めていけるようになって欲しい。

今回のさまざまな組織や学校の訪問では、スイスのろうの人々のたくましさ、独立心の強さをしみじみと感じた。とりちゃんからは日本の実情を聞くことができ た。また、久しぶりに手話をたくさん使うことができ、多くの聴覚障害者とも知り合い、健聴者も含め、いろんな人といろんな話をすることができ、とても有意 義な日々だった。出費はちょっと痛いけれど、それに代えられないものもたくさん得たと思う。

さて、これから日本帰国まで、また少し翻訳だ!