月: 2005年6月

しもべ

今日ではや6月も終わり。ということは、いま気がついたけれど、2005年ももう半分が過ぎてしまったのだ。ひゃ~。「あれっ、いま何年だっけ?2004 年?2005年?」と思っているうちにもうこんな事態になっている。子どもの頃から年初めはよく間違えていたけど、なんだかどんどんひどくなっているみた い。のほほんと暮らしているから、脳細胞の死滅スピードが速まっているのだろうか。

久しぶりにモグリに登場してもらおう。最近、モグリは柔らかいエサをあまり食べてくれない。堅い、乾燥しているエサばっかり、がりがり食べている。彼にも流行りというものがあるようだ。

「なにやってんのさ~。早くおいでよ!」

「なにやってんのさ~。早くおいでよ!」

今朝は3時半と5時半ごろに、2回も「お腹すいたよぉ」と起こしに来た。5時半のときは、エサを食べてからもう一度 「ねえ、ちょっとちょっと」。「ああん、眠いのにぃ」とフラフラしながら再度ベッドを抜け出すと、モグリは表玄関から外へ出たいのだという。バルコニーの ドアに取り付けたモグリ(とシュール)専用の出入り口は、最近あまり使用したがらない。バルコニーから地上へ降りるはしごの上にぶどうの葉が覆いかぶさっ て通りにくいのだろう。雨の日には余計体が濡れるし。我が家の王子さまの意向には逆らえない。しもべの私は丁重に王子さまを解放してさしあげた。

集中的に忙しかった時期が過ぎて、いまはなんだかぽか~んとした感じ。ドイツ語の勉強をちょっとやっては、インターネットをサーフィンしたり、ウインブル ドン観戦をしたり。なかなか集中できない。「ピンポン」とメールが着いたりすると「おっ、なんだなんだ」と即チェック。こんなことをやっていても、一日は あっという間に過ぎていく。「こんな時間も必要よ」と思いつつも、やっぱりちょっともったいない…もうちょっとしたら、もうちょっと気合入れよう。  

新しいことを覚える

先週の金曜と土曜は第二回目のコミュニケーション・アシスタントのコースへ行ってきた。9時半から3時半まで講義を聞き続けるのは、けっこうたいへんだ。 もうずいぶん長い間やっていないことだし、手話通訳やろう者の手話に見とれてしまうと、今度はスイスドイツ語での講義が耳に入ってこない。いや、耳には 入ってくるのだけれど、頭がそれを理解してくれない。できの悪い子はこれだから困る。でも、楽しい。みんなけっこうすぐに打ち解けて、休憩時間はいろんな 話題に花が咲く。家族に障害者がいる人も少なくない。だからだと思う。みんな寛大だ。それに、聴覚・視聴覚障害をもった人とのディスカッションはとても興 味深い。健常者とは見る目が違う。これはとても貴重な経験じゃないかな。ときどき、夫もこの場に連れてきたいと思うくらい。

このコースは一年間続く。その間に80時間の実習も済ませなければならない。16人の視聴覚障害者が私たちの実習に参加してくれる。つまり、私たちにアシ ストされてくれる(ヘンな日本語だなあ)。すでにボランティアで活動している人たちにはもう依頼が来ているそうだ。でも、私には全然。友人のドリスもま だ。私なんて、変わった名前の日本人だし、たぶんなかなか依頼は来ないだろう。でも、しょうがない。これは前から覚悟の上だ。

土曜日の帰りの電車では、「ローム(Lorm)」という視聴覚障害者とのコミュニケーション方法が話題になり、家に帰ってから早速説明図を研究。AからZ まで、手のひらの特定部分に触れたり線を引いたりして表す方法である。「これ、覚えられるかなあ」と最初は不安だったけれど、やってみると案外すぐに覚え られる。次は早く指を動かせるように練習しなくっちゃ。新しいことを覚えるのって、やっぱり楽しい。なかなか前進しないともどかしくもなるけれど。

アンダルシアは美味しい!

あれあれ、前のエッセイを書いてからもう1ヶ月も経っている。

いつもひいきにしてくれている翻訳会社(といっても日本語の翻訳はほかの言語に比べて極端に少ない)が久しぶりにまとまった仕事をくれ、去年の夏以来の忙 しさにまみれていた。量がとても多いところに前々から1週間の休暇を予定していたので、まさに朝から晩まで仕事漬けだったのだ。今回は英語から日本語への 翻訳だったので、ドイツ語からよりもちょっと時間もかかってしまったし…。最初は夕飯もきちんとつくっていたけれど、自分から「つくって」と言えず、一人 で勝手にイライラしている私を見かねて、最後の方はほとんど夫が買い物も夕食も引き受けてくれた。ありがとうございました。明日はちゃんと部屋の掃除もす るし、アイロンがけも済ませるからね。

Sonnenblumenそう、先週(ああ、もう1週間も過ぎてしまったのね…)は休暇をとってスペインはアンダルシアへ行っていた。2年前の5月にグラナダやロンダ、カディスな どをまわったので、今年は残りのセルヴィアやコルドバを訪れた後、夫のリクエストでポルトガル寄りの大西洋岸へ。2年前とは違い、今回のアンダルシアは暑 かった~。町では45度にも達するもわもわとした熱気。高速からはあちこちに無限に広がる黄色い畑。そう、有名なひまわり畑だ。いつかは一度見てみたいと 思っていたので感激!!一目散に目的地へ向かいたい夫におねだりして、一度だけ高速を降りてもらう。もうちょっといろんな写真を撮りたかったけど、ま、私 の腕じゃこんなもんかな。

海 辺は心地よかった。やっぱり30度以上の日々が続いたけれど、アスファルトが少ないし、いつも海からの風が吹いていて、夜は肌寒いくらい。冷たいだろうと 予測していた大西洋の水は、いまのチューリヒ湖より全然温かかった。人も温かかったなあ。スペイン語ができたら、もっとおもしろかったにちがいない。おい しいオリーブとガスバチョ、ワイン、しぼりたてのオレンジジュース、魚介類、タパス、コーヒー…。ハイシーズンが始まる直前だったので、混雑もなく、とっ ても快適な休暇だった。久々のヒットかも。

Strandその後の1週間はまた仕事仕事仕事。金曜日の締め切りにギリギリで間に合った。ほっ。週末はうちでぼ~っとしててもいいかなと思っていたが、夫の提案で早 速金曜の夜からチューリヒで始まったラテンのお祭り「カリエンテ」で人ごみにまみれ、土曜日はまたまた夫に付き添って街で買い物、そのあとは義理の妹家族 と一緒にサッカー大会へ遊びに行き、帰ってきてバルコニーで夕食のグリルの用意をしていたら、下に住む家族から「うちもグリルだから、一緒に食べようよ」 とお誘い。今日は今日で天気が抜群によかったので、自転車で30分くらい走ったところにある公園で湖水浴。スペインでだいぶん日焼けしたところに上塗りし てきた。水は20度にも満たず、最初の一歩はかなりつらいが、入ってしまえば気持ちいい。海と違って波もほとんどないので泳ぐにはバッチリだ。泳いでさっ ぱりしたはずだけど、家に帰ったときはまた汗びっしょり。家に帰る最後の行程は登り坂の連続なのだ。あ~、疲れた。

明日は仕事で2回も延ばしてもらった難聴の友人との昼食。久しぶりに友達に会うぞ~。