コミュニケーション・アシスタント養成コース

「ようやく」というか「もう」というか、昨日、「コミュニケーション・アシスタント」養成コースが始まった。朝8時半前に手話の先生ノーベルトと手話コー スの仲間ドリスと中央駅で待ち合わせ。私が一番に着いたのだが、すぐ目の前に手話で会話をしている若者がたむろっている。「話しか けてみたいなあ」と彼らのようすを伺っているところにノーベルトが現れた。彼はやっぱりその中の数人を知っている。学校のスポーツの日で、みんなでどこか へ出かけるのだそうだ。中央駅ではときどき手話で会話をしている若者を見かける。でも、私はあまり中央駅で乗り降りしないので、こういう機会はあまりな い。これからは勇気を出して話しかけなくちゃ。

ドリスと三人、隣の州まで電車で行って目的地で降りると、毎年、ろうのお年寄りの休暇旅行で一緒に付き添いをする難聴のカティも同じ電車から降りてきた。 一緒に話している女性とは電車の中で偶然となりになり、彼女が目を通している書類から同じコースへいくことがわかって手話を交えておしゃべりをしてきたの だそうだ。その女性は手話通訳をしているので、手話が抜群にうまい。いいなあ、私もあんなふうに手話が使えたらなあ…。

養成コースの参加者は全部で21人。ろう者が3人、難聴者が3人。男性も4人いる。でも、4人とも聴覚障害者だ。コースの責任者の一人はアッシャー症候群 のため、視界が極端に狭く、耳は聞こえない。だから、盲導犬の「オリオン」もいつもお供でそばにいる。コースはスイスドイツ語と手話の両方で行われる。こ れが楽しみだった。手話を習う絶好のチャンス!仕事で居合わせる手話通訳(2人)のほかにも参加者として通訳の女性も2人いるので、休憩時間なども手話が 飛び交う。うれしい~。

昨日は趣向を凝らした自己紹介のあと、視覚・聴覚障害者向けのコミュニケーション方法を学んだが、手話のほかにもいろいろな手段があるのに驚いた。参加者 の中には、ウルズィ(ドレーシャイベ参照、彼女もこのコースに参加)のようにもうすでにボランティアで視聴覚障害者の付き添いをしている人もたくさんい る。たぶん、私が一番無知だろう。でも、手話ができない人も多い。スイスドイツ語を話さないのは、私ともう一人のドイツ人女性だけ。だけど、みんなすぐに 打ち解けていい雰囲気だ。きっと福祉関係に関心のある人が集まっているせいだろう。

昨日家に戻ってからいまになってもまだ、昨日一日がなんだか日常から浮き上がっていて、この日をどう整理したらいいのかわからないような、ちょっと変な気 分が続いている。語学以外の講義を受けたのは初めてだし、手話とスイスドイツ語の両方で講義を受けたのも初めて。チューリヒ州以外の場所でのコースという のも思えばこれまでになかったし、手話で一日おしゃべりをする(もちろん、ドリスとかとのおしゃべりはドイツ語だけど)なんてこともそうあることじゃな い。次のコースは6月の末。それまでに心のどこかに収納場所を見つけられるかな。

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