モグリの友だち

昨日の日曜日、少し晴れ間が見えたのでまた3人でお散歩。子どもの遊び場でモグリと戯れていたら、すぐ近くのアパートから女の人が出てきた。3月の半ばに バス停で話しかけてきた、あの女性だった(2005年3月18日参照)。私たちを見つけたので、本当に出てきてくれたのだ。以前、半年くらいスウェーデン の島で暮らしていたときに飼っていたネコも、喜んで散歩についてきていたという。しばらく雑談してから「それじゃあ」と帰りかけるので、「少し一緒に散歩 しませんか?そしたら、モグリも慣れるだろうし」と提案したが、いまは服用している薬のせいで日光を避けなければならないとのこと。じゃあまた今度、とい うことでお別れした。とてもやさしそうな感じのいい女性だ。私たちが家を空けるときにモグリを見る人がいなかったらいつでもどうぞ、ともおっしゃってくだ さった。彼女なら、きっとモグリとも意気投合するだろう。

先日、お昼過ぎに家に帰ってきたら知らないネコが留守宅に上がっていた。これまで見たこともないネコ。なんと、モグリものろのろと仕事部屋から出てきた。 どちらが先にいたのか知らないが、どうやらモグリはこのネコの侵入を防げなかったみたい。首輪をつけておらず、えさを欲しそうにしばらくうろうろしていた が、かといってべったりなつくわけでもない。半分追い出すような形で出て行ってもらった。夫に話すと「モグリの新しい彼女だったのかもしれないよ」

Mogli_auf_dem _Baumそ う、モグリには彼女がいた ― と私たちが勝手に言っているだけだけど。その彼女は、もう一匹の臆病なネコと小さなイヌと一緒に住んでいた。同じ敷地内 の、私たちの裏手にあるアパートに。その家族は2階に住んでいて、長い長いネコ用の階段がしつらえられていた。モグリはいつの間にか、勝手にその階段を上 がっておじゃまするようになっていたらしい。そこのイヌとも仲良くなり、一時は住み着いてしまうほど(そういえば、一時期、全然帰ってこないときがあった のよね)みんなと仲良くなった。ところがおととしの秋、その一家は近くに家を建てて引っ越してしまった。奥さんはモグリと別れることをとても寂しく思って 「モグリも連れて行っちゃおうかしら」なんて、冗談交じりに言っていた(冗談でよかった…)。その後、モグリもなんとなく寂しそうで、かわいそうに思った ものだ。

でも、モグリはほかにもお友達がたくさんいる。もう少し奥のアパートでネコを飼っているオーストリアの女性もモグリの訪問を楽しみにしているようだし、向 かいのアパートにはモグリ大好き青年が住んでいる。冬のある日、モグリと森へ散歩に行った帰り、反対側の歩道にイヌを連れた女性が立っていてこちらを見て いる。モグリに「行っちゃうまで待ってようね」なんて話していたら、その女性がモグリに向かって「そんなところで何やってんの」と言うではないか。私はあ わてて「ときどき一緒に散歩するんですよ。好きなんです、モグリ」と言うと、彼女は「あら、お宅のネコなの。うちの犬はよく知っていますよ」なあ~んだ。 じゃあ、道路を渡ってうちへ帰ろう。彼女はモグリになんだか別の名前までつけていたよう。

以前、「スイス人の知り合いってなかなかできないよね~」という話題のときに「子どもと犬がいれば簡単よ」と友人に言われ、「ふ~ん、そうなのか」と思っ ていたけど、モグリもなかなか。おかげで思いがけない会話を楽しませていただいている。どこかで悪さもしているかもしれないが、人の心を和ませてくれるモ グリに感謝。

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